掲示板で巻いていた歌仙が満尾。
小面の眼に野火は走りけり 令
鼻腔におはす春の遺伝子 ゆかり
皺ほそく鶯餅のつままれて ぐみ
うちとけて舌なめらかとなり 銀河
泣きぼくろ会で予約の月見舟 なむ
カメラ目線で檸檬を持てば 篠
ウ 口紅を塗つて案山子も人気者 らくだ
逢ふためすこし額髪を切る 令
まなうらの冬日さみしく抱きあふ り
カイゼル髭の老師見舞ひて み
しっとりと美肌手入れに秘訣あり 河
したり顔その顔がでつかい む
銅像の目が死んでゐる夏の月 篠
鯖買ふ時は鰓をよく見て だ
水難の相で水には近寄らず 令
悪事働く頬白仮面 り
花の下どくろ埋まると伝へ聞き み
涙ぬぐへば顕つ蜃気楼 河
ナオ 描く眉がどんどん太く魚津駅 む
おちよぼ口から噂広まり 篠
襟足も刷毛でぬられて舞妓はん だ
顔見世に見る祇園一力 令
鯉口をもてあそびつつ黙しをり り
不服にあらずしもぶくれです み
超えかねて高き鼻梁のハードルを 河
アンジェリーナと名乗るくちびる む
天からの声は眉間に降りてくる 篠
こめかみを経てリンパ循環 だ
十六夜のフェイスブックかmixiか 令
蚯蚓鳴くとき舌巻く画像 り
ナウ 共喰ひのおかめうどんを夜食とす み
耳に親しきおつちやんの笛 河
掛声を誘ふ写楽の大首絵 む
横目遣へば光るてふてふ 篠
そばかすを星座に見立て花篝 だ
舞ひて謡ひて能面の笑み み
起首:2012年 3月11日(日)
満尾:2012年 3月27日(火)
捌き:ゆかり
2012年3月27日火曜日
2012年3月16日金曜日
五吟歌仙・ゾンビの巻
掲示板で巻いていた歌仙が満尾。
ゾンビ来て海鼠食うたかたづねけり まにょん
はかなき身にも春遠からじ ゆかり
それからの一とせの空くもりゐて 令
ビルの谷間に育つ無花果 苑を
宵月へひらく店の名さまざまに なむ
松茸飯は匂ひ嗅ぐのみ ん
ウ 三枚におろしたやうな恋の果て り
ちぎりてのちのアンニュイな部屋 令
波音の仏蘭西映画から寄せて を
遅々と進まぬ地下の行列 む
皇帝に仕へし兵馬俑あまた ん
さても今宵の満漢全席 り
噴水の池に月光揺れてをり 令
ひまはり畑に戦禍の記憶 を
いつ来ても歯科にヘンリー・マンシーニ む
銀のハートを首に垂らせば ん
だんだんと花の妖気に眠くなり り
壬生念仏の割れる土器 令
ナオ てふてふにふれなば毀れ易からむ を
ドア越しに聞く第一志望 む
講堂の礎石に火炎瓶の痕 ん
長靴を踏むしなやかなもの り
ヨガの姉豹のポーズで息とめる 令
三千丈の仙人の髭 を
亡命と称して娑婆へ墜落す む
ピサの斜塔に人影見えて ん
字で終はる無声映画にやや酔へり り
残る暑さの路地裏の町 令
見上ぐれば物干台に昼の月 を
二科展に出す油彩百号 む
ナウ アメ横に叩き売られしチョコありて ん
失敗作を食べるちちはは り
山よりも海よりもよき掘炬燵 令
仔猫きよとんと此の世を眺め を
地震の夜の花爛々と光をり ん
海市吐き出すなまぐさの口 む
起首:2012年 2月24日(金)
満尾:2012年 3月16日(金)
捌き:ゆかり
ゾンビ来て海鼠食うたかたづねけり まにょん
はかなき身にも春遠からじ ゆかり
それからの一とせの空くもりゐて 令
ビルの谷間に育つ無花果 苑を
宵月へひらく店の名さまざまに なむ
松茸飯は匂ひ嗅ぐのみ ん
ウ 三枚におろしたやうな恋の果て り
ちぎりてのちのアンニュイな部屋 令
波音の仏蘭西映画から寄せて を
遅々と進まぬ地下の行列 む
皇帝に仕へし兵馬俑あまた ん
さても今宵の満漢全席 り
噴水の池に月光揺れてをり 令
ひまはり畑に戦禍の記憶 を
いつ来ても歯科にヘンリー・マンシーニ む
銀のハートを首に垂らせば ん
だんだんと花の妖気に眠くなり り
壬生念仏の割れる土器 令
ナオ てふてふにふれなば毀れ易からむ を
ドア越しに聞く第一志望 む
講堂の礎石に火炎瓶の痕 ん
長靴を踏むしなやかなもの り
ヨガの姉豹のポーズで息とめる 令
三千丈の仙人の髭 を
亡命と称して娑婆へ墜落す む
ピサの斜塔に人影見えて ん
字で終はる無声映画にやや酔へり り
残る暑さの路地裏の町 令
見上ぐれば物干台に昼の月 を
二科展に出す油彩百号 む
ナウ アメ横に叩き売られしチョコありて ん
失敗作を食べるちちはは り
山よりも海よりもよき掘炬燵 令
仔猫きよとんと此の世を眺め を
地震の夜の花爛々と光をり ん
海市吐き出すなまぐさの口 む
起首:2012年 2月24日(金)
満尾:2012年 3月16日(金)
捌き:ゆかり
2012年3月6日火曜日
九吟歌仙・臘梅の巻
掲示板で巻いていた歌仙が満尾。
臘梅や天空に聞く水の音 まにょん
いまだ覚めざる地中に蛙 ゆかり
耕耘機末黒野をゆき末野ゆき あとり
卒論にする中原中也 六番町
満月をのせて空中ぶらんこは 天気
絹のリボンを解く足首 恵
ウ 階段を上る少女を待ちつづけ 苑を
若紫なる君の名を知る ぐみ
結婚を前提として付き合つて らくだ
思ひ出すこし詰めたトランク ん
酔ひつぶれ枕にしては固すぎる ゆ
昨日も今日も冬瓜炊いたん あ
土星より月を眺むる太田君 町
議事進行の脇で螻蛄鳴く 気
電車賃貸してくれろとせがまれて 恵
屋号かたぶく駅前旅館 を
真つすぐな幹若くして花満開 み
散りては集ふ蝌蚪に大小 だ
ナオ 吉原の門をくぐれば春の雨 ん
濡れの具合を指で確かめ ゆ
二階から紙飛行機は南へ あ
スッチーの売るグッチとシャネル 町
猪肉の店とぶらへばココとあり 気
昼は炬燵で寝る吸血鬼 恵
首筋の疵を隠すに襟を立て を
鼻濁音聴く別れのきはに あ
おろおろと金子光晴新橋(ポンヌフ)を 町
廣之進なら記録すいすい み
月光をCD-ROMに焼き付けて だ
紅葉映せば玻璃は震へる ん
ナウ ゆふぐれに猫を抱き上げ冬近し ゆ
招かれしゆゑ踏み入る小部屋 気
たまねぎの女王黒船見給ふと み
涙の味は苦くて甘い を
マラソンは名残の花を眺めつつ 恵
生まれし川へのぼる若鮎 だ
起首:2012年 2月 9日(木)
満尾:2012年 3月 6日(火)
捌き:ゆかり
臘梅や天空に聞く水の音 まにょん
いまだ覚めざる地中に蛙 ゆかり
耕耘機末黒野をゆき末野ゆき あとり
卒論にする中原中也 六番町
満月をのせて空中ぶらんこは 天気
絹のリボンを解く足首 恵
ウ 階段を上る少女を待ちつづけ 苑を
若紫なる君の名を知る ぐみ
結婚を前提として付き合つて らくだ
思ひ出すこし詰めたトランク ん
酔ひつぶれ枕にしては固すぎる ゆ
昨日も今日も冬瓜炊いたん あ
土星より月を眺むる太田君 町
議事進行の脇で螻蛄鳴く 気
電車賃貸してくれろとせがまれて 恵
屋号かたぶく駅前旅館 を
真つすぐな幹若くして花満開 み
散りては集ふ蝌蚪に大小 だ
ナオ 吉原の門をくぐれば春の雨 ん
濡れの具合を指で確かめ ゆ
二階から紙飛行機は南へ あ
スッチーの売るグッチとシャネル 町
猪肉の店とぶらへばココとあり 気
昼は炬燵で寝る吸血鬼 恵
首筋の疵を隠すに襟を立て を
鼻濁音聴く別れのきはに あ
おろおろと金子光晴新橋(ポンヌフ)を 町
廣之進なら記録すいすい み
月光をCD-ROMに焼き付けて だ
紅葉映せば玻璃は震へる ん
ナウ ゆふぐれに猫を抱き上げ冬近し ゆ
招かれしゆゑ踏み入る小部屋 気
たまねぎの女王黒船見給ふと み
涙の味は苦くて甘い を
マラソンは名残の花を眺めつつ 恵
生まれし川へのぼる若鮎 だ
起首:2012年 2月 9日(木)
満尾:2012年 3月 6日(火)
捌き:ゆかり
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