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2012年7月7日土曜日

愛すべきゲテモノ5枚



DUKE ELLINGTON (Original Album Series)



 1963年から1966年までのエリントンのアルバム5枚を集めたもの。もはやビッグ・バンドは過去の遺物となりつつあったというべきか、異色の作品群である。それでいて、なにをやってもエリントンはエリントンなのであって、ファンにはたまらない愛すべきゲテモノ5枚である。

(1)Will Big Bands Ever Come Back? (1963)
 ある意味ではアルバム・タイトルの通りで、古いビッグ・バンドのヒット曲集。"ONE O'CLOCK JUMP", "TUXEDO JUNCTION", "ARTISTRY IN RHYTHM", "RHAPSODY IN BLUE"など12曲。エリントン・ナンバーとしては"DON'T GET AROUND MUCH ANYMORE"を収録。
 
(2)Duke Ellington's Jazz Violin Sessions (1963)
 ステファン・グラッペリと、エリントニアンであるレイ・ナンスのvnなどをフィーチャーしたスモール・コンボによる作品。曲により、ビリー・ストレイホーンも参加。

(3)Duke Ellington's Walt Disney's Mary Poppins (1964)
 かの『メリー・ポピンズ』のナンバーが濃厚なエリントン・サウンドに変わり果てていて味わい深い。

(4)Ellington '65
 60年代前半のヒット曲集で、「フライ・ミー・トゥ・ザ・ムーン」「モア」「思い出のサンフランシスコ」など。果てはディランの「風に吹かれて」まで。

(5)Ellington '66
 こちらはなにしろPLAYS THE VERY GREAT HITSだからもっとすごい。「シャレード」「酒とバラの日々」「ムーン・リバー」「愛さずにはいられない」など。果てはビートルズの「オール・マイ・ラヴィング」「抱きしめたい」まで。

2012年5月5日土曜日

マヘリア・ジャクソン、ルイ・アームストロング参加も含むエリントン名盤8枚分




Eight Classic Albums: Duke Ellington





録音から50年経過した8枚のLPをCD4枚に収めた合法的な海賊盤。とはいえ、安価にエリントン・サウンドを浴びるように聴けるのはやはりありがたい。もとのLPもしくはCDですでに持っていたものは1枚だけなのだが、一聴した限りこのシリーズのハズレの他盤のような製品的欠陥(音が飛ぶ、ノイズがひどい、曲が途中で切れる、板起こし、など)はなく、アタリの方だと思う。内容は以下。

1)Such Sweet Thunder(1957)
 シェイクスピアを題材としたアルバム。村上春樹の『国境の南、太陽の西』に出てくる「スター・クロスト・ラヴァーズ」はこのアルバムに収められている。単品で購入すると11曲もある別テイクはいさぎよく割愛されている。
2)Black Brown And Beige(1958)
 マヘリア・ジャクソン(vo)参加の組曲。姿をかえて何度もあらわれる「カム・サンデイ」の主題が胸を打つ。レイ・ナンスのvnも哀切きわまりない。
3)Duke Ellington At The Bal Masque(1958)
 ライブ盤である。まさかこんなところで「狼なんかこわくない」が聴けるとは思わなかった。
4)The Cosmic Scene(1958)
 アルバム・タイトルや収録曲「宇宙人」の背景が分かれば興味深い事実があるのかも知れないが、比較的小編成で、ジミー・ハミルトン(cl)、ポール・ゴンザルベス(ts)、クラーク・テリー(tp)らの妙技を楽しめる。こんなにclが前面に出た「A列車」は珍しいのでは。
5)Anatomy Of A Murder(1959)
 ジェームス・スチュアート主演『或る殺人』の映画音楽をエリントンが書いたということらしい。
6)Nutcracker Suite(1960)
 これは可笑しい。チャイコフスキーの『くるみわり人形』のジャズ化である。
7)Piano In The Foreground(1961)
 数少ないであろうエリントンのピアノ・トリオ作品。ミンガス、ローチとの過激な『マネー・ジャングル』もいいが、こちらの方が本来のエリントンの持ち味のような気がする。
8)Together Again(1961)
 ルイ・アームストロングとの共演によるエリントン・ナンバー集。

2012年4月2日月曜日

実力とは実の力なのだ


Money Jungle



 ミンガスもローチもチャーリー・パーカーの世代に属するので、それ以前の世代の大御所エリントンとの共演というだけで、このアルバム、ずいぶん長いこと敬遠していたのだが、実際に聴いてみると一期一会の大変なアルバムなのだった。鉄槌を下すように強靱なエリントンのピアノのタッチに対し、ミンガスがまるでどこかの民族の撥弦楽器みたいにベースを荒々しくべんべんとかき鳴らして挑みかかり、ローチはローチで激しくあおり立てる。とにかく常軌を逸したパワーのぶつかり合いなのだ。「キャラバン」やタイトルナンバーがぶつかり合い系の最たるもの。一方でエキゾチック極まりない「アフリカの花」の香気はどうだろう。「ソリチュード」などのスロー・バラードも異様にスリリングである。

2012年4月1日日曜日

円熟期の甘美極まりないサウンド



ORIGINAL ALBUM CLASSICS



コロンビアの『サッチ・スウィート・サンダー』、RCAの『極東組曲』、『ビリー・ストレイホーンに捧ぐ』の3枚をセットにした徳用盤。どうせなら1枚目を『ザ・ポピュラー』にしてRCAで固めればいいのにという気もするが、『ザ・ポピュラー』は誰でも持っているという判断だったのかも知れない。いずれにせよ、円熟期のエリントン・オーケストラによる甘美極まりないサウンドを堪能できる。とりわけバラードである。1枚目所収の「ザ・スター・クロスト・ラヴァーズ」(村上春樹の小説にも登場)、2枚目所収の「イスファハン」など、切なくて心臓が破けそうである。名人による万感のソロ、独特の書法によるブルース・フィーリングあふれるアンサンブルが渾然一体となって、無上のしあわせが押し寄せる。3枚目は1967年に亡くなったビリー・ストレイホーンに捧げられた追悼盤で、全編ストレイホーン・ナンバーで固めた入魂の作品。とりわけエリントンの無伴奏ソロによる「蓮の花」が素晴らしい。ベースとサックスの加わる別テイクも味わい深い。