掲示板で巻いていた連句が満尾。
短日の坂の終りのポストかな 篠
人に生まれてしのぐ底冷 ゆかり
港町ならばリバプールを思ひ 苑を
颱風過ぎて空は碧に 一実
山の端の影を濃くして月昇る まにょん
墨も香りて襖絵の菊 ぐみ
ウ 笛の音のひたとやみたる大伽藍 なむ
指でたどれば禁断の喉 篠
一匹の蛇より千匹の蚯蚓 り
テンペラ用に卵を割つて を
朝食をとるに珈琲ふたつ淹れ 実
木々に群れなす熱帯の鳥 ん
飛ぶ日まで翼のタトウ背に秘め み
サン・クエンティン刑務所を出る む
古着屋が助つ人で来る草野球 篠
こんなところに純粋階段 り
奥山に花散る湖のあるといふ を
箱に溢れて子猫四五匹 実
ナオ 朧夜に三益愛子が辻で待つ ん
婆さましやばしやば行水好きで み
浴びるほど呑むため担ぐ荒神輿 む
パズルで過ごす反省の日々 篠
縦横に五音七音埋め込んで り
千早振るとか聴くYouTube を
ショッピングモールに髭を剃られては 実
鞄のなかの鞭と蠟燭 ん
付け馬も誕生日とてごまかされ み
ピザを買ひきて妻と親しむ む
満月を見上げ五右衛門風呂のなか 篠
浮き沈みある人生の秋 り
ナウ 密漁のさなかに濃霧注意報 を
電子レンジにまはる炒飯 実
伽羅の香のしづかにありて旅の果 ん
淡きいろどり名残の雪に み
渋谷区の神南あたり花は咲く む
待ち人の来て陽炎の午後 篠
起首:2014年12月16日(火)
満尾:2014年12月29日(月)
捌き:ゆかり
2014年12月13日土曜日
七吟歌仙・室咲の巻 満尾
掲示板で巻いていた連句が満尾。
室咲や少年の弾くアルペヂオ 苑を
おがくづ飛ばす御歳暮の海老 ゆかり
渡り行く異形の群れは哀しくて 月犬
子羊なべて迷ふものらし 七
どの波もしづかに眠り月に海 ぐみ
芋浮かべたるスープの濁り てふこ
ウ 行く秋のトライアングルイヤリング 銀河
甘噛みといふ大人の遊び を
襟を立て寒さの所為にしてみたり り
よごとよごとに匂ひたつ衣 犬
ベランダにリボンの騎士はマント干し 七
高下駄はいて歌ふデカンショ み
枕投げしたる一個は宇宙へと こ
ホテル暮らしも京都東京 河
啓蟄の女子マラソンの新記録 を
涅槃西風より迅き仕事師 り
蒼穹へ花押し上げる枝と幹 犬
耳鼻科眼科とせはしく通ひ 七
ナオ 故郷のふくろふの声まねてみる み
乳母の娘と日向ぼこして こ
開戦となむわがことと思はずも 河
ラヂオは波の音するばかり を
夜店ほど明るく点せ真空管 り
昇りてゆらぐ蚊遣のけむり 犬
七つ星北へ北へとひた走る 七
知る人ぞ知る地球儀の裏 み
茱萸の実を食べて流浪の民のふり こ
サナトリウムに稲妻の落つ 河
ひたひたと満月の夜をなにか来る を
姫茴香で作る銃弾 り
ナウ モティといふ名前の店に憶えあり 犬
雪降る庭に犬駆け回り 七
初てふの色は今年も白ならむ み
ほくろの数に亀の鳴きをり こ
逆光に透いて散りぬる花の丘 河
雲雀のやうにはしやぐお茶会 を
起首:2014年11月23日(日)
満尾:2014年12月13日(土)
捌き:ゆかり
室咲や少年の弾くアルペヂオ 苑を
おがくづ飛ばす御歳暮の海老 ゆかり
渡り行く異形の群れは哀しくて 月犬
子羊なべて迷ふものらし 七
どの波もしづかに眠り月に海 ぐみ
芋浮かべたるスープの濁り てふこ
ウ 行く秋のトライアングルイヤリング 銀河
甘噛みといふ大人の遊び を
襟を立て寒さの所為にしてみたり り
よごとよごとに匂ひたつ衣 犬
ベランダにリボンの騎士はマント干し 七
高下駄はいて歌ふデカンショ み
枕投げしたる一個は宇宙へと こ
ホテル暮らしも京都東京 河
啓蟄の女子マラソンの新記録 を
涅槃西風より迅き仕事師 り
蒼穹へ花押し上げる枝と幹 犬
耳鼻科眼科とせはしく通ひ 七
ナオ 故郷のふくろふの声まねてみる み
乳母の娘と日向ぼこして こ
開戦となむわがことと思はずも 河
ラヂオは波の音するばかり を
夜店ほど明るく点せ真空管 り
昇りてゆらぐ蚊遣のけむり 犬
七つ星北へ北へとひた走る 七
知る人ぞ知る地球儀の裏 み
茱萸の実を食べて流浪の民のふり こ
サナトリウムに稲妻の落つ 河
ひたひたと満月の夜をなにか来る を
姫茴香で作る銃弾 り
ナウ モティといふ名前の店に憶えあり 犬
雪降る庭に犬駆け回り 七
初てふの色は今年も白ならむ み
ほくろの数に亀の鳴きをり こ
逆光に透いて散りぬる花の丘 河
雲雀のやうにはしやぐお茶会 を
起首:2014年11月23日(日)
満尾:2014年12月13日(土)
捌き:ゆかり
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