掲示板で巻いていた連句が満尾。
人日の空気人形痩せにけり 七
七種囃すけつたいな節 ゆかり
青丹よし平城京に棲みつきて 銀河
野積みされたる旧式ポスト まにょん
入船は河口に月は中天に ぐみ
われらは窓に爽籟と在り なむ
ウ 歓声のよく谺する運動会 令
印刷室に残る落書 七
鍵かけて愛の扉を開くべし り
女心は空飛ぶ絨毯 河
目覚めれば黒子数へる指があり ん
夏芝居では木偶をあやつり み
むきだしのCDに似て月涼し む
鴉逐はれて山の塒へ 令
春の水踏んづけてゐる子らの笑み 七
石鹼玉吐く赤い風琴 り
パーティーの果て前庭の花明かり 河
太宰治は跨線橋へと ん
ナオ 見下ろせばラットレースの人の波 み
酢漬けでできる万能細胞 む
割烹着すがたでぴよんと跳ねてみる 令
賞味期限のみな切れていて 七
断捨離の流れ久遠に轟ける り
ターザンが棲む密林の滝 河
火星では美女や怪獣入り乱れ ん
千の蛍をまとひ君待つ み
たがよきかさても雨夜の品定め む
一振りのまた黄金しろがね 令
月光写真世界の果てを露光する 七
菌に貯まる地縁血縁 り
ナウ 穂芒の頭髪うすき国訛り 河
淡き墨にて宛名記せば ん
雪代の濁りになじむ陸と海 み
仔猫らに説く専守防衛 む
花をみて九条通りに塔をみて 令
ふくらんでゆく夢のまた夢 七
起首:2014年 1月 8日(水)
満尾:2014年 2月16日(日)
捌き:ゆかり