連句というと大岡信を思い出す。
--------------------------------------
少年
大岡信
大気の繊(ほそ)い折返しに
折りたたまれて
焔の娘と波の女が
たはむれてゐる
松林では
仲間ッぱづれの少年が
騒ぐ海を
けんめいに取押へてゐる
ただ一本の視線で
「こんな静かなレトルト世界で
蒸留なんかされてたまるか」
仲間ッぱづれの少年よ
のどのふつくら盛りあがつた百合
挽きたての楢の木屑の匂ひよ
かもしかの眼よ
すでに心は五大陸をさまよひつくした
いとしい放浪者よ
きみと二人して
夜明けの荒い空気に酔ひ
露とざす街をあとに
光と石と魚の住む隣町へ
さまよつてゆかう
きみはじぶんを
通風孔だと想像したまへ
ほら いま嵐が
小石といつしよに吸ひこまれてゆく
きみの中へ
ほら いま煤煙(すす)が
嵐になつてとびだしてくる
きみの中から
さうさ
海鳥(うみどり)に
寝呆けまなこのやつなんか
一羽もゐないぜ
泉の轆轤がひつきりなしに
硬い水を新しくする
草の緑の千差萬別
これこそまことの
音ではないのか
少年よ それから二人で
すみずみまで雨でできた
一羽の鳥を鑑賞しにゆかう
そのときだけは
雨女もいつしよに連れてさ
河底に影媛(かげひめ)あはれ横たはるまち
大気に融けて衣通姫(そとほり)の裳の揺れるまち
おお 囁きつづける
死霊(しれい)たちの住むまちをゆかう
けれど
少年よ
ぼくはきみの唇の上に
封印しておく
乳房よりも新鮮な
活字の母型で
「取扱注意!」
とね
--------------------------------------
『大岡信著作集 第三巻』(青土社。1977年)より引用。この著作集には各巻「滴々集」という自作を語る書き下ろしもしくは談があって、こんなことを大岡信は言っている。
連句をやっているうちに、僕自身の詩に大きな影響が出てきました。それは、明確な手触りのあるイメージが出てこないような行は書けなくなってしまったということ。同時に各行の間に大きな断絶と飛躍がある詩でないと自分で満足できなくなっちゃったんですね。これは僕にとって、結局のところは非常にいい影響だったと思います。『悲歌と祝祷』に収めた詩は、雑誌などに発表した当時には、違った形だったものが多いんです。時期的に早いものには相当手を入れましたが、その手の入れ方の基本原則は、今言ったようなことです。だらだらと長い詩を書くのはいやになっちゃった。それから、激しい断絶を含んでいて、しかも背後には繋がりが見てとれる、そういう詩を書こうとした。この詩集は、僕のそういう意図が強く出ていると思いますが、読む人には緊張感を要求するものになっているかもしれません。しかし僕は、それはそれでいいと思っているんです。
この「滴々集」を、今このタイミングで読めたのは私にとってラッキーでした。そういう目でこの「少年」を見渡すと、皆さん、いかがですか。
2010年6月12日土曜日
満尾二巻
「杉落葉地球の底の薄暑かな ざんくろー」をふたつに割って始まった掲示板にて巻いた歌仙二巻が立て続けに満尾。
●六吟歌仙 岬の巻
初夏の地球の底の岬かな ざんくろー
南の風に羽を置く鳶 ゆかり
指揮棒は輪を描き序曲高らかに ぐみ
贋作もある展覧会の絵 あとり
月光のスポーツカーで盗人来 令
斜に反りたるドカヘル案山子 のかぜ
ウ 横顔の曼珠沙華咲きそろひては ー
十四五本もアリス頬張る ゆ
ボクサーの元彼ジャブの優しくて み
をとこにもある乳首とふもの あ
二人には少し小さいバスタブで 令
反比例する孤立曲線 ー
ほうたるが雨引きとりて月もやふ ぜ
箪笥から出す吾子の臍の緒 ゆ
黒髪の奇術ベガスに艶然と み
女神の問へる金銀の斧 あ
よき人によからぬ人に花の降る 令
いたしてをるか殿さまがへる ぜ
ナオ 松平定知告ぐる四月尽 ゆ
生まれながらに時の記念日 ー
バス停のダイヤグラムに余白あり あ
床の間の絵はアボカド一個 み
宅配のピザ屋が笑顔こしらへて ぜ
木喰仏が咳をしたかと 令
宙返り何度もできる自由律 ゆ
たましひだけはいつも真ん中 ー
左右から叩かれてゐる漫才師 あ
和太鼓の音に石榴裂け行き み
鄙里の棚田三四と昇る月 ぜ
行方もしらず草の絮とぶ 令
ナウ 相部屋となることもある神の旅 ゆ
ひとりのときは北枕して ー
入江から離れて浮かぶ測量船 ぜ
甃のうへまで野火のけぶれる 令
石灰の白ひとすぢに花の道 あ
巣立ちの時ぞ夢のそれぞれ み
起首:2010/05/15
満尾:2010/06/06
捌き:ゆかり
○六吟歌仙 杉落葉の巻
しんなりと杉落葉敷く薄暑かな ざんくろー
遠近法でのびる初夏 ゆかり
黒馬の真つ暗な谷渡り来て あとり
銅鑼華やかにキホ-テは旅 七
満月のまるで鏡の浮かぶやう 銀河
化粧廻しもすつかり馴染み ぐみ
ウ ちいママに会ひに行きたる虫の声 ー
来夢来人のとなりはC'est La Vie ゆ
ペディキュアを舐めてごらんと歓喜天 あ
伊藤晴雨の筆痕なぞり 七
大蛸を浮き彫りにする針地獄 河
座頭市なら英訳もあり み
左手のけん玉で突く夏の月 ー
くたびれ果てた緑のフェルト ゆ
唐三彩千年垂るる釉の音 あ
雲雀料理はゆふべの残り 七
郷愁の詩人あゆめる花の岸 河
横目に映る競漕の水尾 み
ナオ 三角のPLAYボタンを押してみる ゆ
踊り始める荻野目洋子 ー
青春の光と影の遠のいて 七
スカイツリーが日に日に伸びる あ
武蔵恋ふお通に涙夏芝居 み
水田に映るつばくろの喉 河
調律の仕事次第に高まりぬ ゆ
関ヶ原より干戈の響く ー
痩せ犬に婆娑羅なドラマ脚色し 七
フローリングに秋扇置く あ
後の月姉の真似するみそつかす み
塀のきはにも細き鶏頭 河
ナウ 悠然と猫の長さで猫歩く ゆ
メトロノームはアンダンティーノ ー
火星での再会約すアロハシャツ み
象形文字に還る淡雪 河
石盤に指滑らせば花咲けり 七
ぐいと紅ひく春は曙 あ
起首:2010/05/15
満尾:2010/06/12
捌き:ゆかり
●六吟歌仙 岬の巻
初夏の地球の底の岬かな ざんくろー
南の風に羽を置く鳶 ゆかり
指揮棒は輪を描き序曲高らかに ぐみ
贋作もある展覧会の絵 あとり
月光のスポーツカーで盗人来 令
斜に反りたるドカヘル案山子 のかぜ
ウ 横顔の曼珠沙華咲きそろひては ー
十四五本もアリス頬張る ゆ
ボクサーの元彼ジャブの優しくて み
をとこにもある乳首とふもの あ
二人には少し小さいバスタブで 令
反比例する孤立曲線 ー
ほうたるが雨引きとりて月もやふ ぜ
箪笥から出す吾子の臍の緒 ゆ
黒髪の奇術ベガスに艶然と み
女神の問へる金銀の斧 あ
よき人によからぬ人に花の降る 令
いたしてをるか殿さまがへる ぜ
ナオ 松平定知告ぐる四月尽 ゆ
生まれながらに時の記念日 ー
バス停のダイヤグラムに余白あり あ
床の間の絵はアボカド一個 み
宅配のピザ屋が笑顔こしらへて ぜ
木喰仏が咳をしたかと 令
宙返り何度もできる自由律 ゆ
たましひだけはいつも真ん中 ー
左右から叩かれてゐる漫才師 あ
和太鼓の音に石榴裂け行き み
鄙里の棚田三四と昇る月 ぜ
行方もしらず草の絮とぶ 令
ナウ 相部屋となることもある神の旅 ゆ
ひとりのときは北枕して ー
入江から離れて浮かぶ測量船 ぜ
甃のうへまで野火のけぶれる 令
石灰の白ひとすぢに花の道 あ
巣立ちの時ぞ夢のそれぞれ み
起首:2010/05/15
満尾:2010/06/06
捌き:ゆかり
○六吟歌仙 杉落葉の巻
しんなりと杉落葉敷く薄暑かな ざんくろー
遠近法でのびる初夏 ゆかり
黒馬の真つ暗な谷渡り来て あとり
銅鑼華やかにキホ-テは旅 七
満月のまるで鏡の浮かぶやう 銀河
化粧廻しもすつかり馴染み ぐみ
ウ ちいママに会ひに行きたる虫の声 ー
来夢来人のとなりはC'est La Vie ゆ
ペディキュアを舐めてごらんと歓喜天 あ
伊藤晴雨の筆痕なぞり 七
大蛸を浮き彫りにする針地獄 河
座頭市なら英訳もあり み
左手のけん玉で突く夏の月 ー
くたびれ果てた緑のフェルト ゆ
唐三彩千年垂るる釉の音 あ
雲雀料理はゆふべの残り 七
郷愁の詩人あゆめる花の岸 河
横目に映る競漕の水尾 み
ナオ 三角のPLAYボタンを押してみる ゆ
踊り始める荻野目洋子 ー
青春の光と影の遠のいて 七
スカイツリーが日に日に伸びる あ
武蔵恋ふお通に涙夏芝居 み
水田に映るつばくろの喉 河
調律の仕事次第に高まりぬ ゆ
関ヶ原より干戈の響く ー
痩せ犬に婆娑羅なドラマ脚色し 七
フローリングに秋扇置く あ
後の月姉の真似するみそつかす み
塀のきはにも細き鶏頭 河
ナウ 悠然と猫の長さで猫歩く ゆ
メトロノームはアンダンティーノ ー
火星での再会約すアロハシャツ み
象形文字に還る淡雪 河
石盤に指滑らせば花咲けり 七
ぐいと紅ひく春は曙 あ
起首:2010/05/15
満尾:2010/06/12
捌き:ゆかり
2010年5月12日水曜日
六吟歌仙・葱坊主前線の巻
葱坊主前線きたる峠かな あとり
六年生と帰る春昼 ゆかり
排水も紋白蝶をわたらせて 令
アトランティスの迷路あらはる ざんくろー
寝待月市松人形立ちつくし ぐみ
水蜜桃に入れる包丁 七
ウ ここだくに光集めて下り梁 あ
愛のことばはいつもひらがな ゆ
土曜午後歩きながらのキスなども 令
一夜にのびるジャックと豆の木 ー
碧眼のおそるおそると掘炬燵 み
火口に降りるネネムは笑ふ 七
折り返すズボンの裾に夏の月 あ
天界鏡に金の大陸 ゆ
分類は四十番の二としたる 令
七といふ名の当世女 ー
風待つな花を散らすな茉奈と佳奈 み
蜃気楼へとバンジ-ジャンプ 七
ナオ 行く春の人体透ける許りなり ゆ
トンネルくぐる移動図書館 あ
絵日記の深くに蠧魚が踊り出す ー
ジンタ高鳴る夕焼けの町 令
管楽器吹けばマネの絵思ひ出し 七
娼婦も天使少年の目に み
弁当の折を投げ出す汽車の窓 ゆ
風にはためくとりどりの旗 あ
祝日の雑居ビル群かぎろひて ー
お雛さん見に来てくださいと 令
逢ふときはいつも他人の朧月 七
狂ひ狂ひて秋の蚊二匹 み
ナウ 業しらず因果をしらず曼珠沙華 ゆ
天金糸ひく初雁のこゑ あ
なめらかに寿限無となへる雪達磨 ー
紙風船は唐櫃を発ち 令
古文書を紐解く指にふるは花 七
御座候と春は暮れ行く み
起首:2010/04/09 09:55
満尾:2010/05/09 17:13
捌き:ゆかり
六年生と帰る春昼 ゆかり
排水も紋白蝶をわたらせて 令
アトランティスの迷路あらはる ざんくろー
寝待月市松人形立ちつくし ぐみ
水蜜桃に入れる包丁 七
ウ ここだくに光集めて下り梁 あ
愛のことばはいつもひらがな ゆ
土曜午後歩きながらのキスなども 令
一夜にのびるジャックと豆の木 ー
碧眼のおそるおそると掘炬燵 み
火口に降りるネネムは笑ふ 七
折り返すズボンの裾に夏の月 あ
天界鏡に金の大陸 ゆ
分類は四十番の二としたる 令
七といふ名の当世女 ー
風待つな花を散らすな茉奈と佳奈 み
蜃気楼へとバンジ-ジャンプ 七
ナオ 行く春の人体透ける許りなり ゆ
トンネルくぐる移動図書館 あ
絵日記の深くに蠧魚が踊り出す ー
ジンタ高鳴る夕焼けの町 令
管楽器吹けばマネの絵思ひ出し 七
娼婦も天使少年の目に み
弁当の折を投げ出す汽車の窓 ゆ
風にはためくとりどりの旗 あ
祝日の雑居ビル群かぎろひて ー
お雛さん見に来てくださいと 令
逢ふときはいつも他人の朧月 七
狂ひ狂ひて秋の蚊二匹 み
ナウ 業しらず因果をしらず曼珠沙華 ゆ
天金糸ひく初雁のこゑ あ
なめらかに寿限無となへる雪達磨 ー
紙風船は唐櫃を発ち 令
古文書を紐解く指にふるは花 七
御座候と春は暮れ行く み
起首:2010/04/09 09:55
満尾:2010/05/09 17:13
捌き:ゆかり
2010年3月10日水曜日
脇起七吟歌仙・家じゆうの巻
家じゆうの声聞き分けて椿かな 爽波
筒をふたする卒業証書 ゆかり
なによりも銀色の風ひかるらむ 令
二番手につくどさんこ競馬 由季
開拓の村の広場に昼の月 銀河
アップルパイの焦げてゐる皮 苑を
ウ マスターは上手に秋草をかざり ぽぽな
空になりたいといふ梟 ざんくろー
スージーと逢魔が時を待つてをり り
あやふくなりぬ兄人(せうと)との垣 令
血に濡れて恋文ひらく勇魚取 季
絵詞の島雪ふるは希れ 河
歌舞伎座の瓦にかかる夏の月 を
単帯など誉め合ひながら な
幾千も女賭場師は骰を振る ー
人知れずこそゆがむ骨盤 り
ウォーキングコースを変へて花の道 令
消費カロリーしやぼんだまほど 季
ナオ 隠れ棲む宇宙人にも春来たり 河
屋根裏部屋に解体新書 を
eBayのクリック音の夜もすがら な
黒猫きたるカロンセギュール ー
末裔はデッキブラシで空を飛び り
偏愛さるるつめたい兵器 令
人柱決めるじやんけん粛々と 季
三階0号室の怪談 河
みづいろのペンキで扉塗りませう を
美大出てゐるボーイフレンド な
満ちきらぬ月を待ちたる余白あり ー
追伸に書く鵯のこと り
ナウ 越えがたき坂は木の実と道祖神 令
自転車を押し虹の彼方へ 季
母の呼ぶ声か寝ざめの風鈴か 河
藍の刺し子で茶巾をつくる を
生還を果たして花の盛りなり な
頷いてゐるやうな春昼 ー
起首:2010/02/26 22:24
満尾:2010/04/01 23:14
捌き:ゆかり
波多野爽波の句を発句として、掲示板にて巻いた歌仙です。
筒をふたする卒業証書 ゆかり
なによりも銀色の風ひかるらむ 令
二番手につくどさんこ競馬 由季
開拓の村の広場に昼の月 銀河
アップルパイの焦げてゐる皮 苑を
ウ マスターは上手に秋草をかざり ぽぽな
空になりたいといふ梟 ざんくろー
スージーと逢魔が時を待つてをり り
あやふくなりぬ兄人(せうと)との垣 令
血に濡れて恋文ひらく勇魚取 季
絵詞の島雪ふるは希れ 河
歌舞伎座の瓦にかかる夏の月 を
単帯など誉め合ひながら な
幾千も女賭場師は骰を振る ー
人知れずこそゆがむ骨盤 り
ウォーキングコースを変へて花の道 令
消費カロリーしやぼんだまほど 季
ナオ 隠れ棲む宇宙人にも春来たり 河
屋根裏部屋に解体新書 を
eBayのクリック音の夜もすがら な
黒猫きたるカロンセギュール ー
末裔はデッキブラシで空を飛び り
偏愛さるるつめたい兵器 令
人柱決めるじやんけん粛々と 季
三階0号室の怪談 河
みづいろのペンキで扉塗りませう を
美大出てゐるボーイフレンド な
満ちきらぬ月を待ちたる余白あり ー
追伸に書く鵯のこと り
ナウ 越えがたき坂は木の実と道祖神 令
自転車を押し虹の彼方へ 季
母の呼ぶ声か寝ざめの風鈴か 河
藍の刺し子で茶巾をつくる を
生還を果たして花の盛りなり な
頷いてゐるやうな春昼 ー
起首:2010/02/26 22:24
満尾:2010/04/01 23:14
捌き:ゆかり
波多野爽波の句を発句として、掲示板にて巻いた歌仙です。
2010年3月9日火曜日
六吟歌仙・女正月の巻
うつつなるなゐと寒さや女正月 銀河
御殿山には踊る裸木 ゆかり
籐椅子に島の陽射しは音たてて ざんくろー
遠天めざす飛魚の意気 ぐみ
その男月をまとひて佇みぬ 苑を
長々し夜のほどく包帯 七
ウ さはやかに嬲るうなじのキスマーク 河
アンドロメダがのびちぢみする り
雲梯を降りて八月十五日 ー
飢ゑも励ます夢は関取 み
てのひらに薄紅零す茱萸の酒 を
気まま暮らしにピリオドを打つ 七
リクルートスーツ面接ずれのして 河
氷河鼠の毛皮ほどにも り
六情を剥ぎ取られたる朧月 ー
煮ても焼いても桑名はまぐり み
吹きくればあの世の匂ふ花あらし を
休耕田の放置されをり 七
ナオ 鼻唄をうたひ髭剃る夫のゐて り
あすは船出の桟橋の揺れ 河
無人島せり落とせしは実は我 み
ひたむきにある宇宙引力 ー
通底器汚れ落として古物屋へ 七
壁から生えて腕に静脈 を
血圧の上がらぬやうな恋せよと り
巻尺添へるちちははの恩 河
モンローと同じ香水着けてみる み
徒手空拳の八戸市議も ー
ねだられて月旅行への切符買ふ 七
穴惑ひしてゐたら鞄に を
ナウ 前世がなかつた頃の赤林檎 り
かの大岩にたたきつけられ 河
みんな来てギプスの脚に寄書きす み
雛の口もなめらかとなり ー
花吹雪くこの世の夢を飲みほせば 七
五大陸から湧き上がる蝶 を
起首:2010/01/14 02:27
満尾:2010/02/20 11:07
捌き:ゆかり
御殿山には踊る裸木 ゆかり
籐椅子に島の陽射しは音たてて ざんくろー
遠天めざす飛魚の意気 ぐみ
その男月をまとひて佇みぬ 苑を
長々し夜のほどく包帯 七
ウ さはやかに嬲るうなじのキスマーク 河
アンドロメダがのびちぢみする り
雲梯を降りて八月十五日 ー
飢ゑも励ます夢は関取 み
てのひらに薄紅零す茱萸の酒 を
気まま暮らしにピリオドを打つ 七
リクルートスーツ面接ずれのして 河
氷河鼠の毛皮ほどにも り
六情を剥ぎ取られたる朧月 ー
煮ても焼いても桑名はまぐり み
吹きくればあの世の匂ふ花あらし を
休耕田の放置されをり 七
ナオ 鼻唄をうたひ髭剃る夫のゐて り
あすは船出の桟橋の揺れ 河
無人島せり落とせしは実は我 み
ひたむきにある宇宙引力 ー
通底器汚れ落として古物屋へ 七
壁から生えて腕に静脈 を
血圧の上がらぬやうな恋せよと り
巻尺添へるちちははの恩 河
モンローと同じ香水着けてみる み
徒手空拳の八戸市議も ー
ねだられて月旅行への切符買ふ 七
穴惑ひしてゐたら鞄に を
ナウ 前世がなかつた頃の赤林檎 り
かの大岩にたたきつけられ 河
みんな来てギプスの脚に寄書きす み
雛の口もなめらかとなり ー
花吹雪くこの世の夢を飲みほせば 七
五大陸から湧き上がる蝶 を
起首:2010/01/14 02:27
満尾:2010/02/20 11:07
捌き:ゆかり
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