掲示板で巻いていた連句が満尾。
踊り場に声の響きし九月かな あんこ
鶫の目もて走る少年 ゆかり
島めざし月夜の海へ漕ぎ出でて ぐみ
ゴーギャンの絵の濃ゆき肌色 媚庵
薄耳の小さいひとが炉を開く 七
雪吊りの松あちらこちらに 銀河
ウ 一手打つたびごと増えてゆく酒量 なな
怒りし顔で告白される こ
くすくすと笑んで袋を取り出しぬ り
弥生吉日署名待つ紙 み
月おぼろ蝶ネクタイの朔太郎 庵
苗代どきの異形細胞 七
石英が水晶となるすずしさも 河
ガムくちやくちやと噛む音の中 な
予告編途中に座る映画館 こ
字幕書体は星の彼方へ り
波こえて三日おくれの花便り み
春日傘さす公爵夫人 庵
ナオ ドラム式洗濯機買ふ修司の忌 七
なんてことないことなのですが 河
腹痛に頭痛に歯痛筋肉痛 な
LINEはすぐに既読となりて こ
妄想をあつめて灯す大都会 り
豪栄道に暑さいや増し み
怖すぎる話の多き避病院 庵
この世のような夢を見る昼 七
笠雲のかかりて富士のしづかなる 河
澄むみづうみに浸ける指先 な
月光へバンドネオンの爆ぜてをり こ
秋の今宵を悪魔のシャッセ り
ナウ 懐かしき初雪のごと肩に触れ み
眠りをやぶりラッセル車来る 庵
やはらかな時計の掛かる地下のバル 七
楤の芽を添え和風ステーキ 河
ゆふぐれは花の白よりゆつくりと な
佐保姫とまた誓ふ再会 こ
起首:2016年 9月 9日(金)
満尾:2016年10月16日(日)
捌き:ゆかり
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