掲示板で巻いていた連句が満尾。
覆へるとも花にうるほへ石のつら 大岡信
ひかりをまとふ木々の囀り ゆかり
上海の地番に春の風抜けて 銀河
摩天楼にて蟹を楽しむ 伸太
踊るひとつぎつぎふえる月あかり 槐
孫三たりとのメイル爽やか 令
ウ 校庭に朝顔からみつく木馬 媚庵
たがひちがひに灯すランタン れいこ
森といふ夢の過剰を鎮めをり り
窓に記憶を残しさよなら 河
山男マッキンリーから帰らざる 太
凍てし月より石を拾はむ 槐
最大の平面の夢受胎すと 令
今朝のうたこそ生の賜物 庵
付喪神つれて質屋の旗の下 こ
泡立つてゐる発語本能 り
掃除機に吸ひ込まれゆく花の闇 河
いそぎんちやくのひと日は過ぎぬ 太
ナオ 春の野に燃やす記憶と現在と 槐
新聞社にて訳す英文 令
バンカラの一高生が辞書を食ふ 庵
おおそれみよと揺れる桟橋 こ
海鳥は下から上にまぶた閉ぢ り
雪の純白くぐる恍惚 河
食卓に置かれ真珠のネックレス 太
汝が泣くときの宝石のこゑ 槐
重信と苑子に夜の訪問者 令
浪漫渡世遠く秋立つ 庵
ファザーネン通りをおほき月のぼる こ
途絶えがちなる夜寒の電波 り
ナウ お辞儀して太古の汗を拭かずゐる 河
アンモナイトの生れて大陸 太
あをいろの点描で描く友のかほ 槐
うたげあたたか孤心を生きて 令
朝といふ朝の窓辺にひらく花 庵
蝶うつろへる折々のうた こ
起首:2017年 4月7日(金)
満尾:2017年 4月24日(月)
捌き:ゆかり
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