掲示板で巻いていた連句が満尾。
葉脈のみるみる伸びる立夏かな 伸太
薫風わたる河岸段丘 ゆかり
国境を超える列車に身をおきて 媚庵
ユーロ紙幣で払ふ飲み代 銀河
天上の時計が零す月の砂 りえ
死角にはまだ竈馬棲む 七
ウ 素のままに眠り素のまま夜食とる 桃子
捩(よぢ)れる君の手にするタオル 太
腸を抱へて笑ひ明易し り
走る男と泳ぐ女と 庵
西之島けふもむづかる気配あり 河
螺髪凍むまで月を弄(ろう)する え
戯れ言をまるめてほかすまみ穴へ 七
二度確かめる空の封筒 子
船便の埠頭に上ぐる麻袋 太
犬の視線で沫雪を追ふ り
仇討ちの噂ながれる花の山 庵
映画果つるも遅き日の暮 河
ナオ ジーンズの旗揺れてゐるビルのうへ え
いくつになれど飛ぶのが怖い 七
目をつむりバニラアイスは永遠に 子
虹を濡らして窓の水滴 太
いくたびか爆発ののち焼け落ちる り
戦場を吹き抜ける夕風 庵
今帰りましたカプセルホテルから 河
メイド相手に詩魂を論ず え
かげろふの日記読みつつひとり夜は 七
ペンにじませて稲の音聞く 子
山の端の望月さらに登らんと 太
どさと崩るるハードSF り
ナウ 信念で人工知能には負けぬ 庵
夢の中まではびこりし青 河
さぶらひてさぶらひどちの腕相撲 え
呟くやうに鷽は鳴くらし 七
新聞を綺麗にたたむ花の午後 子
来ては睦みて消ゆる双蝶 太
起首:2017年 5月10日(水)
満尾:2017年 6月20日(火)
捌き:ゆかり
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