掲示板で巻いていた連句が満尾。
ゆふぐれの舌の薄さや著莪の花 令
生まれつつあるはつなつの闇 ゆかり
元栓は閉めたはずだが気になつて 銀河
鳩吹く人の仰ぐなかぞら まにょん
一陣の風に水面の月ゆれて らくだ
拍子木の音たかき地歌舞伎 令
ウ 酒癖の悪き郎党ばかりなり り
一目惚れしたその腕つぷし 河
序の口に乗れば染まつてゆくからだ ん
藍の褪めたる衣まとへば だ
雑巾を固くしぼつて作務開始 令
餅肌いまや皸の日々 り
氷下魚釣る糸を滑りし月の影 河
胸張り少年大志抱けと ん
うたひつつTOKIOが走るCMの だ
制作室をよぎる星蝕 令
代々を花読みとして床にあり り
ここで別れる楠若葉道 河
ナオ 振り向けば春の波間に人魚の尾 ん
姉はいつでも妹思ひ だ
坪庭にすずめのための米を撒き 令
いづかたよりか金鵄鳳凰 り
美しき髯をしごきて憂ひをり 河
泥鰌鍋にて手打といたす ん
妖刀に呪符貼りつけて封印し だ
仮面舞踏にはじまりし恋 令
茉奈のふりしてゐる佳奈にからかはれ り
奄美諸島へ梅雨の前線 河
月光に濡るるサバニの櫂を漕ぐ ん
玉手箱から出づる穂芒 だ
ナウ 手を振ればをちかた人は霧のなか 令
薬指からとれぬ飯粒 り
封筒を貼る工賃の如何ばかり 河
冴返る夜に読む経絡図 ん
それぞれの壺の中には花吹雪 だ
陽炎の馬車呼びて去りなむ 河
起首:2012年 5月 1日(火)
満尾:2012年 7月19日(木)
捌き:ゆかり
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