掲示板で巻いていた連句が満尾。
戦争の記憶あれこれ残暑かな 媚庵
新聞紙にて包む枝豆 ゆかり
もうひとつ月の出てゐる国にゐて り
ゴールドラッシュの夢を見しまま 銀河
鉄橋を越えトンネルの次が駅 河
味噌汁付の大盛カレー 苑を
ウ 昼どきのATMの長蛇に尾 を
絵文字で誘ふ今宵の逢瀬 まにょん
わ印の変はつた体位ためしたり ん
デザート代りに茶臼差し出す なむ
たけなはの二階見上げる聖家族 む
天の穴から雪がこぼれる 庵
おでん煮る鍋につみれを追加して 庵
頬に傷ある漢文教師 り
うららかに喇叭の音は風に乗り り
一反もめんのなびく春虹 河
信号の青たしかめる花の辻 河
爆裂音と高き火柱 を
ナオ また鍋を焦がし凸凹でこぼこす を
金釘流の父の詫び状 ん
棟梁は元ヤンキーでラップ好き ん
ニッカボッカーウッドペッカー む
虚と実のカルテを重ね迷ふらむ む
古き映画の田宮二郎よ 庵
県庁の前の噴水工事終え 庵
何度も色が変はるゆふぐれ り
口切りの酒逆鱗にふさはしき り
龍潜むてふ淵に水の輪 を
きつと来るバイクに乗つて月の使者 を
拳銃二丁秋野に埋める ん
ナウ 錆ついた翅ふるはせて鳴く虫も ん
値踏みできないがらくたの山 河
流木にいまはゆだねる身の行方 河
けふ点々と畦火遠野火 む
西行の花も世阿弥の花も散り む
帰去来兮吹東風(かへりなむいざこちにふかれて) 庵
起首:2016年 8月15日(月)
満尾:2016年 9月 5日(月)
捌き:ゆかり
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