2016年9月5日月曜日

六吟大股歩き歌仙 あれこれの巻

掲示板で巻いていた連句が満尾。

   戦争の記憶あれこれ残暑かな            媚庵
    新聞紙にて包む枝豆              ゆかり
   もうひとつ月の出てゐる国にゐて           り
    ゴールドラッシュの夢を見しまま         銀河
   鉄橋を越えトンネルの次が駅             河
    味噌汁付の大盛カレー              苑を
ウ  昼どきのATMの長蛇に尾              を
    絵文字で誘ふ今宵の逢瀬           まにょん
   わ印の変はつた体位ためしたり            ん
    デザート代りに茶臼差し出す           なむ
   たけなはの二階見上げる聖家族            む
    天の穴から雪がこぼれる              庵
   おでん煮る鍋につみれを追加して           庵
    頬に傷ある漢文教師                り
   うららかに喇叭の音は風に乗り            り
    一反もめんのなびく春虹              河
   信号の青たしかめる花の辻              河
    爆裂音と高き火柱                 を
ナオ また鍋を焦がし凸凹でこぼこす            を
    金釘流の父の詫び状                ん
   棟梁は元ヤンキーでラップ好き            ん
    ニッカボッカーウッドペッカー           む
   虚と実のカルテを重ね迷ふらむ            む
    古き映画の田宮二郎よ               庵
   県庁の前の噴水工事終え               庵
    何度も色が変はるゆふぐれ             り
   口切りの酒逆鱗にふさはしき             り
    龍潜むてふ淵に水の輪               を
   きつと来るバイクに乗つて月の使者          を
    拳銃二丁秋野に埋める               ん
ナウ 錆ついた翅ふるはせて鳴く虫も            ん
    値踏みできないがらくたの山            河
   流木にいまはゆだねる身の行方            河
    けふ点々と畦火遠野火               む
   西行の花も世阿弥の花も散り             む
    帰去来兮吹東風(かへりなむいざこちにふかれて)  庵

起首:2016年 8月15日(月)
満尾:2016年 9月 5日(月)
捌き:ゆかり

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