2016年8月1日月曜日

七吟歌仙・梅雨の灯の巻

掲示板で巻いていた連句が満尾。

   梅雨の灯を点しさみしき遊びかな  月犬
    きれいななみだ色にでで虫   ゆかり
   板塀の節目いくつも連なりて    銀河
    朝顔ひらく煙草屋のまへ     媚庵
   三日月の湿りはバスの中にまで    恵
    幼き手よりころり団栗      ぐみ
ウ  地球儀に日本を見つけられずゐる  なな
    赤道越える光晴三千代       犬
   スコールがふたりの肌を隠しをり   り
    将来といふばなな齧らん      河
   放蕩をかさねてのちの啖呵売     庵
    寒月までの簡単な橋        恵
   着ぶくれて猫の名前は未だ決めず   み
    ぐるんと回す結婚指輪       な
   雛段に女雛のをらぬ奥座敷      犬
    冴返る夜を湯の沸いてをり     り
   花道をたどる血の池地獄まで     河
    等身大の張りぼての豚       庵
ナオ 穿き込んだ勝負パンツに棲む神よ   恵
    ラスベガスには昼も夜もなく    み
   粉塵を撒き散らしつつたどり着く   な
    西日に黒き廃坑のヤマ       犬
   方丈を蚊遣の煙のまつすぐに     り
    十手先読むロボットの知恵     河
   携帯の地震警報かしましく      庵
    指で辿りし地図の海岸       恵
   上下するのどぼとけにも涼新た    み
    虫らの声に呼応してゐる      な
   煌煌と月の光は鳥籠に        犬
    ワイヤフレームモデルの便器    り
ナウ ひた進む除雪車布を裁つごとく    河
    窓閉ざしたる赤煉瓦館       庵
   埠頭へと荷揚げされたるウヰスキー  恵
    涅槃西風背によろけずに立つ    み
   見上げれば額に触るる枝の花     な
    春のおほきな虹消えるまで     犬


起首:2016年 7月 5日(火)
満尾:2016年 8月 1日(月)
捌き:ゆかり
 

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