2018年1月4日木曜日

山田露結『永遠集』(3)

   さびしいぞさびしいぞ鶯餅食らふ 露結
 山田露結といえばリフレインの使い手としても知られるが、『永遠集』においても四十一句中リフレインの句はなんと十句に及ぶ。しかも掲句のように主観的な形容詞を繰り返したものとして他に「花菜漬やさしい人がやさしすぎる」「木犀や悲しい歌がまだ悲しい」がある。
 通常の俳句の表現としては直情的に過ぎるが、このあたり「淋しいぞ一人五本のゆびを開いて見る 放哉」「まつすぐな道でさみしい 山頭火」あたりのより自在な表現から得たものがあるのではないか。第一句集『ホームスウィートホーム』のつけたり「悲しき大蛇」が、俳句自動生成ロボット・裏悪水による自由律俳句だったことを思い出しておこう。 

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