山﨑百花『五彩』の第一部は歳時記構成。季語レベルで項が立っているわけではないが、季を時候、天文、地理、生活、行事、動物、植物に分け、そのくくりで句を配置している。第二部が三十句✕八年分であることを思えば、第一部は独立した一句一句として読ませるための構成なのかと思ったりもするが、必ずしもそうでもないらしい。例えば冬の時候ではこんな句が並ぶ。
常磐木の小枝にリボン十二月 百花
数へ日の遊び納めがもう一つ
一月や女体は布に芯となり
貝釦七つなないろ春隣
ここでは明らかに数字を詠み込んだ句を意図的に並べている。であれば、時候、天文、地理、生活、行事、動物、植物に分け、そのくくりで句を配置するねらいは何なのか。そんなことを頭の片隅に読み進める。
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