2019年4月19日金曜日

七吟歌仙 ゆふぐれの巻

   ゆふぐれに花の点るや彼岸寺     苑を
    亀鳴くこゑと豆腐屋の笛     ゆかり
   風船は水玉模様おほきくて      りゑ
    背丈の順の列を見送る        霞
   乗り過ごすことなく浴びる月明り   なな
    パチンコ屋からつづく穭田      令
ウ  いちやう散る健忘症と言はれたる   知昭
    ふいに目覚めて問ふ君の名は        を
   解読はできないけれどたぶん愛     り
    バニーガールの星撃つ仕草      ゑ
   雲いくつ海を渡りて海に住む      霞
    新元号の国の赤色          な
   梅干の三晩を月もまもりたる      令
    やうやく涙拭ふ門番         昭
   水温む日を貝になるポーズして     を
    佐保姫と組む午後の道場       り
   自転車に花巻産の葱坊主        ゑ
    お辞儀の角度猫に合はせる      霞
ナオ 福助の五臓六腑をからからと      な
    右と左で違ふ靴下          令
   まなじりのひつかき傷は新しく     昭
    地平線までヌーの大群        を
   打楽器の複合リズム高まつて      り
    炎立ちたる前頭前野         ゑ
   ふたりして背伸びをすれば桃青忌    霞
    ウヰスキー飲みおほせて洩らす    な
   養生のベストセラーとなりし本     令
    うなづいてまたうなづく良夜     昭
   紅葉山むかし海だとタモリ云ひ     を
    川の名変はる露寒の橋        り
ナウ 吃音のラジオドラマの主人公      ゑ
    微笑む母の通夜は忙し        霞
   間違へて領収済の判を押す       な
    金平糖をぽとり雪間に        令
   明らかに象の足音飛花落花       昭
    産毛を春の風は濡らして       を


起首:2019年 3月19日(火)17時58分31秒
満尾:2019年 4月18日(木)15時24分17秒
捌き:ゆかり

2019年4月11日木曜日

不定期刊連句誌『みしみし』創刊号発売

不定期刊連句誌『みしみし』創刊号を発売しました。
大室ゆらぎ、岡田由季、田中槐、川合大祐、鈴木健司、塚本惠、大塚凱、山本掌、媚庵、岡本遊凪、箱森裕美、玉簾という豪華連衆による連句と新作十首/句を掲載。連句をかなめに俳句、川柳、短歌に広がる異色の作品集です。

【目次】
七吟歌仙 溜め池の巻
七吟歌仙 春雨の巻
その評釈
連衆作品
かんたん連句式目
橋閒石『微光』を読む

【ご購入】
一部1000円(送料、消費税込み)
お申し込みは以下まで。
みしみし舎
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★みしみし舎在庫分はおかげさまで完売しました。

以下の書店様、古書店様でもお取り扱い頂いています(ほぼ北から順)。

札幌のがたんごとんさん、新宿の紀伊國屋書店さん、下北沢の本屋B&Bさん、明大前の七月堂古書部さん、三鷹の水中書店さん、松本の栞日さん、京都の三月書房さん、梅田の蔦屋書店さん、神戸元町の1003さん、福岡の本のあるところ ajiroさん、松山の蛙軒さん、本の轍さん、石垣島の山田書店さん。