2012年6月17日日曜日

詩レ入句会(5)出題

 次の出題をめぐりいろいろ考えているのですが、次の節は「2 構成された余白、文語定型詩」。藤村や泣菫、有明をめぐる話なので、はなはだ句会の出題のネタにしづらく…。話を飛躍して連作俳句にからめてみましょうか。構成というなら、例えば誓子。

  航行

船厨(せんちゆう)の蠅青潮に向きて去る
船欄は蠅ををらしめ浪を白(しら)め
夏の夕餐(ゆふげ)船は蛇輪(だりん)をまはすなる
顔こすり睡(ねむ)がる子よ夏の海暮るる
夏の夜の星ひとつ撰(え)りて船にかかぐ
船に垂れ晩夏星座のみづみづしさ
夏のあさ薄翅蟲類船とすすむ

(昭和十二年) 


 ところでp.40の「つまり、行かえは、物語の展開をになっているのではなく、客観、主観、主観の客観化といった千鳥をめぐる観点の移動を可能にしているのだ」というくだり、なにかを思い出しませんか。

 これって、じつに我らが俳諧の、自他場に近いものを感じます。物語の単調さを救うための余白の技法が、反対向きに物語性を否定する俳諧の付け方の技法に近いものとして現れるところに、俳人としての私は妙味を覚えます。


 というわけで、今回は文語定型詩と俳諧の余白の現れ方を味わってみたいと思います。

【文語定型詩】一篇(五七五/七五七交互ソネット形式)
または
【独吟半歌仙】一巻

投稿締切:6月23日(土)24:00(JST)
投稿宛先:yukari3434 のあとにアットマークと gmail.com

 余力のある方は両方でも構いませんし、二篇以上、二巻以上でも構いません。上記に適合していれば旧作でも構いません。
 

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