2014年11月18日火曜日

七吟歌仙・黒猫の巻

掲示板で巻いていた連句が満尾。 

   黒猫に紅葉かつ散る窓辺かな     まにょん
    火を恋ふならばジュリアン・ソレル  ゆかり
   鯖雲に硝子の破片混らせて        なな
    波頭から夏の旋律           苑を
   椰子の実の深き眠りに月涼し      ぽぽな
    いまやおしやれな亀の子束子     らくだ
ウ  ふすまには万年床を隠す技        ぐみ
    亞剌比亞文字のこれは恋文        ん
   多理婆无母伊須良牟許久母夢乃橋      り
    三面鏡で閉ざす日焼け子         な
   真夏日にペンギン檻を脱走す        を
    蝋の翼はみるみる溶けて         ぽ
   人形はマダムに命吹きこまれ        だ
    或る晴れた日のオペラ上演        み
   大いなる跳躍春の祭典の          ん
    古きレジ打つ彼岸の茶店         り
   口笛は花の舟より聞こえきて        な
    はたいて落とす靴底の泥         を
ナオ 手袋と刃物どこにもみつからず       ぽ
    雪合戦のルールが変わる         だ
   精虫の勝者は今日も職さがし        み
    一応覗く屑籠の中            り
   乱丁の夏のページがあるかもと       な
    西日に染まるレースのカーテン      ん
   目蒲線田園調布駅に雨           を
    久しぶりねとはにかむ人よ        ぽ
   えのころでそろりとなでる足の裏      だ
    ひとさはぎして雁の降り立つ       み
   月明は鏡の沼を眠らせず          ん
    NASAの素材のちくちくとして     り
ナウ 人影と名残としての霜柱          な
    湯気が薬缶の蓋持ち上げる        を
   振り向けば体の奥に鈴の音         ぽ
    春一番を告げる予報士          だ
   北上する開花前線と宅急便         み
    母のほほゑむ日永の戸口         ん

起首:2014年10月29日(水)
満尾:2014年11月18日(火)
捌き:ゆかり

 

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