掲示板で巻いていた連句が満尾。
黒猫に紅葉かつ散る窓辺かな まにょん
火を恋ふならばジュリアン・ソレル ゆかり
鯖雲に硝子の破片混らせて なな
波頭から夏の旋律 苑を
椰子の実の深き眠りに月涼し ぽぽな
いまやおしやれな亀の子束子 らくだ
ウ ふすまには万年床を隠す技 ぐみ
亞剌比亞文字のこれは恋文 ん
多理婆无母伊須良牟許久母夢乃橋 り
三面鏡で閉ざす日焼け子 な
真夏日にペンギン檻を脱走す を
蝋の翼はみるみる溶けて ぽ
人形はマダムに命吹きこまれ だ
或る晴れた日のオペラ上演 み
大いなる跳躍春の祭典の ん
古きレジ打つ彼岸の茶店 り
口笛は花の舟より聞こえきて な
はたいて落とす靴底の泥 を
ナオ 手袋と刃物どこにもみつからず ぽ
雪合戦のルールが変わる だ
精虫の勝者は今日も職さがし み
一応覗く屑籠の中 り
乱丁の夏のページがあるかもと な
西日に染まるレースのカーテン ん
目蒲線田園調布駅に雨 を
久しぶりねとはにかむ人よ ぽ
えのころでそろりとなでる足の裏 だ
ひとさはぎして雁の降り立つ み
月明は鏡の沼を眠らせず ん
NASAの素材のちくちくとして り
ナウ 人影と名残としての霜柱 な
湯気が薬缶の蓋持ち上げる を
振り向けば体の奥に鈴の音 ぽ
春一番を告げる予報士 だ
北上する開花前線と宅急便 み
母のほほゑむ日永の戸口 ん
起首:2014年10月29日(水)
満尾:2014年11月18日(火)
捌き:ゆかり