2015年9月21日月曜日

六吟折句歌仙 貰ひたるの巻

掲示板で巻いていた連句が満尾。
     

   貰ひたる秋の駱駝の埃かな        なな
    眺めはるかに舐めるどぶろく     ゆかり
   夕月に影曳く一機離陸して        ぐみ
    寓話の声に耳を澄ませば        苑を
   そのかみの野を宵宮の男舞        なむ
    夏のなごりの紫の種         らくだ
ウ  卵管をくるくるまはる楕円形        な
    ぐつたりとして身動きできぬ       り
   そつと触れのどぼとけにも尾の痕も     み
    泣いちやふくらゐむちやくちやにして   を
   乱心を悔い改める大司教          む
    流されてゆく謎の古文書         だ
   友人を噛む冬の月凛として         な
    ナスターシャからムイシュキンへの    り
   羅府で読み桑つむ港で怠武林で       み
    永すぎる日のなぞなぞ遊び        を
   幽谷に花神眠れる流離譚          む
    具足一式身につかぬまま         だ
ナオ ゆふぐれの観覧車にて離婚する       り
    何回も書き殴つてをりぬ         な
   そよ風に乗つて笑つて幼くて        を
    グルメの日々を三十一文字に       み
   ラムネでは口説き文句も駄洒落風      だ
    なあなあ主義のムーの一族        む
   草々と伸びやかに書き終はりとす      り
    ぐい呑みの薄みどりに酔へば       な
   乱歩なる奇しくも美しき断頭台       を
    ななかまど燃え村に葬列         み
   ゆくりなく語る月夜の竜の骨        だ
    名をばトマスと名乗る秋茄子       む
ナウ 喇叭いまクレッシェンドして壇上に     り
    何人もただ夢中になりぬ         な
   その後も野山の吹雪をさまらず       だ
    生番組では菜飯取り上げ         み
   湯に落つる花片ひとひら旅情とす      を
    愚陀佛庵に水草生ふ朝          む


起首:2015年 8月27日(木)
満尾:2015年 9月21日(月)
捌き:ゆかり

0 件のコメント:

コメントを投稿