2009年11月25日水曜日

六吟歌仙・紅葉の巻

   書き殴るやうに地球に紅葉かな   ざんくろー
    句点を打てる秋のみづうみ      ゆかり
   月を待つひまに一節終はりゐて      銀河
    汽笛の尾には北風混じり        ぐみ
   白煙を残す駅舎の寒椿         藤実ん
    モボモガふうのエキストラたち     れい
ウ  春眠の全休符から始まりぬ         ー
    また一尾減る蝌蚪の共食ひ        り
   つばくらめ頬をかすめて軒下に       河
    庇の蔭の初めてのキス          み
   跪くきみの耳たぶ冷たくて         ん
    美童のあそび照らす燭の火        い
   炎天に沈んだやうに浮かぶ月        ー
    貼り出されたる営業成績         り
   郵便的不安切手の足りぬらし        河
    三くだり半は猫の舌借り         み
   牛乳を冷ましをる間に花一片        ん
    海市のことを消す電子音         い
ナオ 鳥の木と呼びたきほどの百千鳥       り
    予感のありぬ鉄砲百合に         ー
   豆喰らふ顔して辻に宇宙人         み
    かごめかごめの環に閉じこめる      河
   それからは波羅那国には雨降らず      い
    からから空き缶つけし自動車       ん
   新婚といふその響き嗚呼しんこん      り
    やまびこに遭ふ我が旧校舎        ー
   整列の少し乱れて曼珠沙華         み
    色なき風のありやなしやと        河
   逃亡の背後に鎌の月かかる         い
    御息所は頬杖をつき           ん
ナウ 糠床のしづかに増える虚子の種       り
    教会を突くパイプオルガン        ー
   先ゆきしものらの戦ぐ木ぬれなり      い
    就職きまる街に淡雪           河
   蒼穹へ一途に咲ける嶺桜          み
    水平線に春の膨らむ           ん

起首 2009/10/13 22:22
満尾 2009/11/22 00:55
捌き ゆかり

 掲示板で巻いていた連句が満尾しました。
もう一巻行きます。どなたか発句をどうぞ。

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