透明に電波の満つる小春かな ぐみ
あをき氷河を映す平面 ゆかり
夕闇の匂ひの猫を抱き上げて 苑を
小説家こそ極道の裔 銀河
ささやきし訛言の月の息遣ひ ざんくろー
歯痛の疼く秋雨前線 七
ウ 椎の実をオセロの盤に置いてみる れい
磁石片手に西へと向かひ 由季
ふられてはまた肥えてゆく猪八戒 あとり
婚活の席共食ひの怪 み
刻々と届きし写メもつひに絶え ゆ
瞬時に決まる歌留多合戦 を
月一輪太宰の富士を輝かす 河
道化となりて眠れぬ夜果つ ー
のんしやらん浮世は春よのんしやらん 七
鼻音の尾から糸遊となる い
密約のありやなしやと花の宿 季
筍流し舟もかよはず あ
ナオ 愛欲の温もりを帯び管楽器 ゆ
女性党首の子沢山好き み
登校は信号無視に気をつけて 河
紀ノ国屋までパン買ひにゆく を
あちらがは脱けられますと占ひ師 七
乳房抱へしきはどい水着 ー
蜜月の日焼けのあとをくすぐりぬ 季
びんづる尊者外にまします い
地球儀のインドにとまる秋の蠅 み
台所より柿を割る音 あ
妹のごと夕月のほほ笑みて を
けふもカーネル・サンダース立つ ゆ
ナウ 煮凝りの道頓堀へ飛び込みぬ ー
水の音する五十三次 河
一枚を挟む小さなピンセット い
展翅板より蝶の飛び立ち 七
星空に棹さしてゆく花の雲 あ
蛍烏賊寄るあかつきの岸 季
起首 2009年11月29日
満尾 2009年12月30日
捌き ゆかり
掲示板で巻いていた連句が満尾しました。ご感想は掲示板へ。
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