2011年3月10日木曜日

なう

 ついでながら、俳句自動生成ロボットゆかりりが詠み散らかした六十句。最後の一句だけはたまたま変なところに「なう」が生じたもの。

ゆふぐれの乳房に帰る春野なう    ゆかりり
公式の気泡にかへる海市なう
口紅の春野のこむら返りなう
細胞の乳房をたまる弥生なう
首すぢの巣箱のゆるす目方なう
あかるさの予報に歩く遅日なう
おほぞらの家族に走る桜なう
こひびとの朧に至聖三者なう
フルートの練馬を歩く日永なう
マニキュアの暮春にグラジオラスなう
温泉の地震をかへる日永なう
音階の暮春にとまる姿態なう
関節の昭和に送る桜なう
虚子の忌の目方に成層圏なう
幸福の寿命のつかむ残花なう
幸福の土筆の走るピアノなう
紅梅の姿態に至聖三者なう
細胞の朧のこむら返りなう
春陰のゲームに狂犬病なう
春愁のパジャマにグラジオラスなう
春愁の電波を至聖三者なう
春宵のひかりを光るピアノなう
震動の蛙のまはる足裏なう
震動の余寒を成層圏なう
数式の春野を越える高架なう
誓子忌の阿漕のこむら返りなう
旋律の桜を成層圏なう
掃除機の残花をかへる電車なう
鳥の巣の阿漕にゆるす寝間着なう
天井の励起に走る虚子忌なう
踏切の虚子忌を洗ふ乳房なう
梅林のひびきの帰る練馬なう
半身の桜に至聖三者なう
恋猫の家族に歩く高架なう
恋猫の昭和をグラジオラスなう
朧夜の予感の至聖三者なう
闌春のおやつに洗ふひかりなう
うぐひすの姿勢のクレッシェンドなう
震動の虚子忌の帰る電話なう
大脳の巣箱にこむら返りなう
温泉の蛙に仰ぐ薄謝なう
ライバルの残花の狂犬病なう
大脳の辛夷をグラジオラスなう
口紅の虚子忌の入る練馬なう
春天の予感の成層圏なう
春泥の地層を送る朱色なう
初蝶の地層をグラジオラスなう
失恋の予感を迫る茶摘なう
おほぞらの地上の走る茶摘なう
恋猫の阿漕に狂牛病なう
口紅の朧の狂牛病なう
薄氷のかをりのグラジオラスなう
フルートの土筆に狂犬病なう
湧き水の電車を帰る桜なう
蜜蜂の高架の排水溝なう
マニキュアの日永のつかむ姿態なう
菜の花の電話を仰ぐパジャマなう
掃除機の電気の入る残花なう
さつぱりの弥生に眠る高架なう
うぐひすや薄謝のやうなうちの影


 あまりにも不毛なので、早々に改修して「なう」を詠まなくしたことは言うまでもない。

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