2013年3月10日日曜日

七吟歌仙・水鳥の巻

掲示板で巻いていた連句が満尾。

   耳遠くして水鳥を眺めけり       露結
    音もひかりも春を待つ波      ゆかり
   梅一輪東京の空ふとらせて     キャミー
    うぐひす餅をやさしく摘まむ     苑を
   チャンネルを朧月へと合はせれば     恵
        砂の嵐に踊る人影          泥酔
ウ  枕から貨物列車の通る音         令
    手紙の旅の行きつ戻りつ        結
   山羊髭のたかまつてゆくサキソフォン   り
    半音先のきみの横がほ         ー
   その視線熱くてからだぢゆう沸騰     を
    液化ガスから取り出した薔薇      恵
   胸筋をひらく外科医の指白く       酔
    疲労すつぽり包む月光         令
   秋の日のラーメンライス食べ切れず    結
    炭火恋しきぶくぶくの本        り
   花万朶映る外車のボンネット       ー
    帽子目深に被る三鬼忌         を
ナオ かぎろひの中のお茶会終はらずに     恵
    蹠しびれて老若男女          酔
   唾つけて京へのぼれといふ呪文      令
    生死を分かつ水分補給         結
   炎帝を以てシシカバブーとせり      り
    トルコ石彫る盗賊の宿         ー
   青い目になつてお婆さんになつて     を
    路地へ無理やりRANGE ROVER 恵
   水牛に頚木をかけて曳きゆけば      酔
    うちなーぐちの歌のながれ来      令
   八方をニライカナイとして月夜      結
    ライカないかと探す秋の日       り
ナウ 木の実降るやうにアルバム開いたら    ー
    絆創膏を十字に貼つて         を
   丘ふたつ越えて鐘の音届く頃       恵
    真澄の空を切る春疾風         酔
   によつぽりと投手立ちたる花のあひ    令
    どこも浮世と笑ふ山々         結

起首:2013年 1月22日
満尾:2013年 3月10日
捌き:ゆかり

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