2013年2月18日月曜日

五吟歌仙・数へ日の巻

掲示板で巻いていた連句が満尾。

   数へ日の湯舟にをりて言葉かな      ぽぽな
    なすがままにと浮かべる熱燗      ゆかり
   冴え返へる頬のあたりに手をあてて    のかぜ
    辻占へ立つ卒業の子ら        えいけん
   春月をクレーンゲームに取り損ね     ゆたか
    YMOのやうな旋律            な
ウ  幻の馬の駆け行く東京都           り
    左見右見して首筋違へ           ぜ
   宮殿の門へ王女の影折れて          ん
    素知らぬ顔に青年子爵           か
   四五人のをとこと籠る昼下がり        な
    鉛筆をなめ作る見積            り
   白雨来てレース予想紙笠となる        ぜ
    オペラ座を出て夏満月へ          ん
   悪評を覆すべく熱演し            か
    仕出し弁当手付かずのまま         な
   簡単な間取図ひらく花の昼          ん
    子ねこ親ねこ縮尺定規           ぜ
ナオ ゆらぐたびおほきさかはるいそぎんちやく   り
    風に乗りたる声のごとくに         か
   いただきに神の翼の輝きて          な
    蜜蝋厚く塗るベニヤ板           り
   玄翁が持ち手外れて桟を折り         ぜ
    ホームランした血染めのボール       ん
   薮医者の伸ばしたる腕ちよつと触れ      か
    短き夜の恋がはじまる           な
   あの夏の日がなかつたら大丈夫        り
    浮かぶ瀬いづこ一衣帯水          ぜ
   十六夜の倉庫の前に車停め          ん
    フロントグラスは虫なき虫籠        か
ナウ 泣き疲れ眠る子を抱く秋袷          な
    そのやうにしてゆるす人肌         り
   雪舞ひて紗幕落とせり里に野に        ぜ
    ドードー鳥は夕東風に乗り         ん
   一房の花揺れ二階から枕           か
    晴れて寮生巣立ちゆく春          な


起首:2012年12月24日
満尾:2013年 2月18日
捌き:ゆかり

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