2014年1月4日土曜日

七吟歌仙・山脈の巻

掲示板で巻いていた連句が満尾。

   山脈に泳がせてゐる鯨かな       銀河
    千億年は続く冬らし        ゆかり
   らふそくの炎かすかにまたたいて  まにょん
    母の形見の未明の童話         七
   芋坂を月に誘はれ団子屋へ       苑を
    扇を置いて真ん中の兄        泥酔
ウ  金髪の案山子おへそにピアスして    ぐみ
    赤いソファーで待ちくたびれた     河
   ごめんねと舐める涙に塩の味       り
    死海文書の謎深まりて         ん
   からくりの箱を土産に夏の旅       七
    月の欠片を冷蔵庫から         を
   犀のせて歌姫の船たゆたへば       酔
    繰り返し積む河原の小石        み
   楽園に実は秋根は冬弥陀笑まふ      河
    ときに逃げたる鰐も覗かせ       り
   海に散る因幡の花は魂となり       ん
    スペ-スシャトルで吹く石鹸玉     七
ナオ あまちやんの最終回を見逃して      を
    古漬ひとつ残る糠床          酔
   冬の野に大皺小皺くろぐろと       み
    新幹線がつなぐニッポン        河
   ざりがにの色あざやかに星条旗      り
    キャンベルスープの缶を開ければ    ん
   混沌のなかより無常つまみ上げ      七
    菊人形の指が不自然          を
   独酌の栗名月の酔ひごこち        酔
    十三里来て冬を待つ駅         み
   ピラミッド見上げる汗を思ひをり     河
    夢の金魚の揺れる玄室         り
ナウ 口笛を草原渡る風にのせ         ん
    大空翔るパラグライダー        七
   地球軸まはせば海のあふれくる      を
    荒れをともなひ比良の八講       酔
   あふぎみる花吹雪こそしづかなれ     み
    囀みちる始祖鳥の杜          河


起首:2013年11月26日
満尾:2014年 1月 4日
捌き:ゆかり

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