掲示板で巻いていた連句が満尾。
蝶の眼の冥く荒れたる眞晝かな 月犬
反轉したる菜の花の黄 ゆかり
水温む因幡の國と書き添へて 藤幹子
うつむきがちに通る寺町 苑を
鈴の音の仕舞ひは月に吸ひ込まれ 恵
雲英粉をまぶす花野の圖柄 七
ウ 蜻蛉の羽を背中に求愛す まによん
神仙郷には天女百人 月犬
物干の滿艦飾に夏の雲 り
海へ海へと金魚屋の聲 子
夜汽車とは天井棧敷ではないか を
手刀を切り受くる懸賞 恵
賽振れば窓にかかれる冬の月 七
猫を枕に日向ぼこして ん
水音の滿ちてくるらしわが胸に 犬
今はの際の絃樂合奏 り
山姥の爪を切る日か飛花落花 子
新社員くん鉛筆を噛む を
ナオ 佛蘭西語ですと言ひ張り津輕辯 恵
すまんすまんと口癖遺傳 七
燈臺の螺旋階段驅け昇り ん
幾歳月を妻とふたりで 犬
戀といふ名の旅をしてゐたと言へ り
巖窟王に轡を喰ませ 子
父と子と離れて歩く冬田道 を
砂鐵の描く妖しき模樣 恵
全身にタトゥを入れる種族住み 七
霧を吐き出す水晶の谷 ん
吊橋も月の滴に濡れる夜の 犬
實石榴裂けて南野陽子 り
ナウ セーターをほぐせば蜂蜜のにほふ 子
瓶詰にして賣る雪女郎 を
目藥を點すとき動く喉佛 恵
切手舐めれば甘き春風 七
ひとひらの花の行方と青空と ん
ふらここ高く氣圈をあとに 犬
起首:2014年 3月 2日(日)
満尾:2014年 5月 8日(木)
捌き:ゆかり
0 件のコメント:
コメントを投稿