2014年5月15日木曜日

七吟歌仙・薄氷の巻

掲示板で巻いていた連句が満尾。 

   薄氷に遠くからくる眠りかな  まにょん
    春昼といふ妙なる調べ     ゆかり
   雛あられ貰ふ少しを手に受けて    令
    赤くかがやく大学の門      ぐみ
   月今宵画廊喫茶の読書会      なむ
    白桃にほふ尾道の雨       幹子
ウ  放蕩の終はりを告げるつづれさせ   七
    伯父の遺品に少女の写真      ん
   約束は約束にして百合むせぶ     り
    白靴よごしサヌカイト掘る     令
   真夜過ぎて少し傾く大南瓜      み
    案山子と呼ばれをる三代目     む
   体育の日の溶けさうな鉄仮面     子
    雲の峰より巨人現る        七
   隊商は沙漠に長き影をひき      ん
    拷問器具はなべて鋭角       り
   獄舎から花の降るのを見てをりぬ   令
    角は川なる春の樹ゆれて      み
ナオ 文庫本ばらして貼つていかのぼり   む
    四畳半には地球儀ふたつ      子
   蓑虫の無番地にゐる風の中      七
    露に濡れたる封書が届く      ん
   飛び乗れば動き始める後の月     り
    下に広がるイギリス海岸      令
   齢の差も波間の雪も消えてゆき    み
    幾夜介護のごとき騎乗位      む
   アララトの山より新世界始む     子
    ドボルジャックのレコ-ド洗ひ   七
   珈琲と煙草が好きで長髪で      ん
    指名手配のかほに似てゐる     り
ナウ 大正の武者人形のある町家      令
    風鈴売についてゆく子ら      み
   かの笛の伝承は碑に刻まれて     む
    虻蜂と食ふ空也の最中       子
   見渡せば雲間流るる花衣       七
    岬を濡らす春の長雨        ん

 

起首:2014年 2月18日(火)
満尾:
2014年 5月15日(木)

捌き:ゆかり  

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