掲示板で巻いていた連句が満尾。
薄氷に遠くからくる眠りかな まにょん
春昼といふ妙なる調べ ゆかり
雛あられ貰ふ少しを手に受けて 令
赤くかがやく大学の門 ぐみ
月今宵画廊喫茶の読書会 なむ
白桃にほふ尾道の雨 幹子
ウ 放蕩の終はりを告げるつづれさせ 七
伯父の遺品に少女の写真 ん
約束は約束にして百合むせぶ り
白靴よごしサヌカイト掘る 令
真夜過ぎて少し傾く大南瓜 み
案山子と呼ばれをる三代目 む
体育の日の溶けさうな鉄仮面 子
雲の峰より巨人現る 七
隊商は沙漠に長き影をひき ん
拷問器具はなべて鋭角 り
獄舎から花の降るのを見てをりぬ 令
角は川なる春の樹ゆれて み
ナオ 文庫本ばらして貼つていかのぼり む
四畳半には地球儀ふたつ 子
蓑虫の無番地にゐる風の中 七
露に濡れたる封書が届く ん
飛び乗れば動き始める後の月 り
下に広がるイギリス海岸 令
齢の差も波間の雪も消えてゆき み
幾夜介護のごとき騎乗位 む
アララトの山より新世界始む 子
ドボルジャックのレコ-ド洗ひ 七
珈琲と煙草が好きで長髪で ん
指名手配のかほに似てゐる り
ナウ 大正の武者人形のある町家 令
風鈴売についてゆく子ら み
かの笛の伝承は碑に刻まれて む
虻蜂と食ふ空也の最中 子
見渡せば雲間流るる花衣 七
岬を濡らす春の長雨 ん
起首:2014年 2月18日(火)
満尾:2014年 5月15日(木)
捌き:ゆかり
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