2014年7月2日水曜日

七吟歌仙・夏の野の巻

掲示板で巻いていた連句が満尾。

      夏の野にあれば尾をもつ女かな      まにょん
    玻璃のまなこで鎮める泉         ゆかり
   樹の杳き鼓動を斧に響かせて         なむ
    こだまの過ぎし線路秋めく         ぐみ
   月光の街は水族館となり           苑を
    虫聴きにゆく人の集まる           令
ウ  掃除機のコードひゆるりと巻き取られ      恵
    消防男子に焦がれて燃える          ん
   流体も波動も愛の方程式            り
    指先で解く紐のいろいろ           む
   なりはひに辞書編み趣味に竹を編み       み
    好きこそものの上手でもなし         を
   出奔の果ての紙子を照らす月          令
    すつぽん鍋の最初の生血           恵
   眠るのがこはくて聖書読んでをり        ん
    囁きあへる数多なる母            り
   間引かれしゆゑに滂沱の花散らむ        む
    春雨ぢやとは言へぬ道行           み
ナオ 朝寝して二人どうでもよくなりぬ        を
    裏書の銘うそかまことか           令
   優勝の記念の手形黒々と            恵
    古老ひつそり羊と暮らす           ん
   恩讐のくちびる遠きまで届く          り
    滝壺に彫る不動明王             む
   護符よけて厨の守宮すつと消え         み
    ポップコーンは跳ねて飛び散る        を
   メール打つ姉と本読む妹と           令
    叶ふ願ひを自らつぶす            恵
   月光のあふれ狂ひし村ひとつ          ん
    焼き払つてはしのぐ夜寒よ          り
ナウ 風立つをいまと定めて雁の列           む
    雪すら友にいざ生きめやも          み
   極北の小屋に洗濯物を干す           を
    苞のなかから出だす土雛           令
   掌に受くる間もなく飛花天へ          恵
    蝶の道なら辿りゆくべし           ん


起首:2014年 5月27日(火)
満尾:
2014年 7月 2日(水) 

捌き:ゆかり 

0 件のコメント:

コメントを投稿