うつつなるなゐと寒さや女正月 銀河
御殿山には踊る裸木 ゆかり
籐椅子に島の陽射しは音たてて ざんくろー
遠天めざす飛魚の意気 ぐみ
その男月をまとひて佇みぬ 苑を
長々し夜のほどく包帯 七
ウ さはやかに嬲るうなじのキスマーク 河
アンドロメダがのびちぢみする り
雲梯を降りて八月十五日 ー
飢ゑも励ます夢は関取 み
てのひらに薄紅零す茱萸の酒 を
気まま暮らしにピリオドを打つ 七
リクルートスーツ面接ずれのして 河
氷河鼠の毛皮ほどにも り
六情を剥ぎ取られたる朧月 ー
煮ても焼いても桑名はまぐり み
吹きくればあの世の匂ふ花あらし を
休耕田の放置されをり 七
ナオ 鼻唄をうたひ髭剃る夫のゐて り
あすは船出の桟橋の揺れ 河
無人島せり落とせしは実は我 み
ひたむきにある宇宙引力 ー
通底器汚れ落として古物屋へ 七
壁から生えて腕に静脈 を
血圧の上がらぬやうな恋せよと り
巻尺添へるちちははの恩 河
モンローと同じ香水着けてみる み
徒手空拳の八戸市議も ー
ねだられて月旅行への切符買ふ 七
穴惑ひしてゐたら鞄に を
ナウ 前世がなかつた頃の赤林檎 り
かの大岩にたたきつけられ 河
みんな来てギプスの脚に寄書きす み
雛の口もなめらかとなり ー
花吹雪くこの世の夢を飲みほせば 七
五大陸から湧き上がる蝶 を
起首:2010/01/14 02:27
満尾:2010/02/20 11:07
捌き:ゆかり
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