葱坊主前線きたる峠かな あとり
六年生と帰る春昼 ゆかり
排水も紋白蝶をわたらせて 令
アトランティスの迷路あらはる ざんくろー
寝待月市松人形立ちつくし ぐみ
水蜜桃に入れる包丁 七
ウ ここだくに光集めて下り梁 あ
愛のことばはいつもひらがな ゆ
土曜午後歩きながらのキスなども 令
一夜にのびるジャックと豆の木 ー
碧眼のおそるおそると掘炬燵 み
火口に降りるネネムは笑ふ 七
折り返すズボンの裾に夏の月 あ
天界鏡に金の大陸 ゆ
分類は四十番の二としたる 令
七といふ名の当世女 ー
風待つな花を散らすな茉奈と佳奈 み
蜃気楼へとバンジ-ジャンプ 七
ナオ 行く春の人体透ける許りなり ゆ
トンネルくぐる移動図書館 あ
絵日記の深くに蠧魚が踊り出す ー
ジンタ高鳴る夕焼けの町 令
管楽器吹けばマネの絵思ひ出し 七
娼婦も天使少年の目に み
弁当の折を投げ出す汽車の窓 ゆ
風にはためくとりどりの旗 あ
祝日の雑居ビル群かぎろひて ー
お雛さん見に来てくださいと 令
逢ふときはいつも他人の朧月 七
狂ひ狂ひて秋の蚊二匹 み
ナウ 業しらず因果をしらず曼珠沙華 ゆ
天金糸ひく初雁のこゑ あ
なめらかに寿限無となへる雪達磨 ー
紙風船は唐櫃を発ち 令
古文書を紐解く指にふるは花 七
御座候と春は暮れ行く み
起首:2010/04/09 09:55
満尾:2010/05/09 17:13
捌き:ゆかり
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