掲示板で巻いていた小林苑をさん句集『点る』上梓お祝ひ脇起し歌仙・点るの巻が満尾しました。
遡るやうに夜店の点りけり 苑を
水風船の決めかねる色 ゆかり
ぽつぽつと五線に音符書き込みて 七
顔出してゐる可愛い悪魔 ぽぽな
月高く肝胆照らしあふ仲を 銀河
しろがねの文字菊の香りも ぐみ
ウ てのひらにいのちのやうに蓮の露 七
祝言之儀の山粧ひて ざんくろー
ご馳走が運ばれるたび平らげる な
ギネスブックに名をとどろかせ 河
透ける紙表紙にかけていとほしむ み
夏の月借り栞にしませう 七
雨夜でもなきををのこの四人(よたり)寄り 令
猫ぢや猫ぢやが踊りたくなる り
幽霊も名のりを上げて出でたりし のかぜ
中央線にて時空超えむと み
隕石の落ちたるといふ花の森 河
春の苺を妹と摘む 七
ナオ 覗きこむ三稜玻璃に光る風 令
いちめんのあを耶蘇教のそら ぜ
水無月は感情論で流されて ー
えんやこら今夜も棹をさす り
メケメケの面影いづこ黄色髪 み
四分の一は父の父の血 り
永遠にこの日の八時十五分 河
混める通学バスに抱きあふ 令
一途なる恋の終点見当らず み
お辞儀の多きハンドパペット ぜ
夕暮のテーマパークに月ありて な
鞄いつぱい鰯雲詰め 七
ナウ 旅に出て柴又思ふ秋の末 み
凍る銀河に犬橇の道 河
外套のフードに隠す編み巻毛 ぜ
卒業したら都会に行くの な
約束を封印したる花ひとひら を
遺伝子により生まれつぐ蝶 ー
起首 2010/07/03
満尾 2010/09/09
捌き 三島ゆかり
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