掲示板で巻いていた連句が満尾。
六吟歌仙・虫の音の巻
虫の音の堆積したる地層かな ざんくろー
とろみを帯びて白き銀漢 ゆかり
指先で月を西へと引き寄せて あとり
南船北馬風の吹くまま ぐみ
春遅々と音の割れたる蓄音器 ー
笑へる山に投げるかはらけ ゆ
ウ 三姉妹喋りでしやばりたまや吹き あ
上海の夜のシャンパンの泡 み
纏足の靴に魅入られ路地の奥 七
いけない君が身繕ひする のかぜ
バオバブの木の下でする初キッス ー
根を張つてゐる仙腸関節 ゆ
標本の鰭きよらかに夏の月 あ
学究肌で趣味は聞香 み
灰形の景色に蝶の舞ひ降りて 七
風が撫でるよ草青む野辺 ぜ
薄紅に微笑み花の帰る頃 ー
負けてくやしいじやんけんロボット 七
ナオ ゆふぐれをパイナツプルと駆け上がる ゆ
カタリナ飛行艇の着水 あ
セイレンのま白きレース寄せ来たり ぜ
祈りに似たる毛糸編むさま み
谷に降る雪を眺めて一人酒 七
雛の使ひは赤めいた鼻 ぜ
みいちやんが歩き続けて百千鳥 ゆ
春蝉の弾く変ロ短調 ー
おしなべて男同士の捕虫網 み
菊人形に誘はれてゐる あ
金銀糸錦の衣映す月 ぜ
絵皿を揃へ色鳥を待つ 七
ナウ けもの道なすこともなく猫来る ゆ
窓ふるはせてお琴の稽古 ー
汀にて韻を拾へるうたの海 ぜ
眠い眠いと笊の飯蛸 あ
東雲の呼気に吸気に花開く み
発光体の春野なりけり 七
起首:2010年 9月19日(日)
満尾:2010年10月29日(金)
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