2010年12月18日土曜日

四吟歌仙 目覚めればの巻

掲示板で巻いていた連句が満尾。


四吟歌仙 目覚めればの巻

   目覚めればとんと冬めく水辺かな     ぽぽな
    白き息吐き波立つ川面         ゆかり
   かさばれるメシエカタログ広げ見て  ざんくろー
    知らない国の切手をはがす       のかぜ
   執事しか入れぬ部屋の窓に月         な
    紅茶美味しき夜長始まる          り
ウ  八朔にくちびる寄せてよく分かる       ー
    預ける背に蜜語の響き           ぜ
   明日からはもう先生と呼べません       な
    石膏像の白目おそろし           り
   現実の浸食される火山灰           ー
    すべなく過ぎる夏の語らひ         ぜ
   地球儀にポツダムの位置確かめて       な
    西瓜番にも抑止力あり           り
   強情の静まり返る秋の沼           ー
    あかね蜻蛉の離散集約           ぜ
   幾千の花の莟は夢想する           な
    野良にもなれず望む鳥の巣         り
ナオ 諸葛菜教への窓辺後にして          ぜ
    へべれけとなり次ののれんへ        ー
   海老蔵が来たので誰もゐなくなる       り
    丑三つ時の闇はいたづら          な
   朔月に嘯くガレのひとよ茸          ぜ
    いかれた白い象の導き           ー
   カラー版江口寿史のポーズ集         り
    また使ひ方間違へてゐる          な
   頬被り今はレゲエのニット帽         ぜ
    おいらん淵で腰をくねくね         ー
   仙人は月から落ちて火の玉に         り
    見ないふりしてもろこし齧る        な
ナウ 左手馬手野分荒ぶる夢のあと         ぜ
    日米安保の傘を開きて           ー
   三猿のやうなこと言ふ片時雨         り
    付き合ひの良き新入社員          な
   歯車の回り始める花筵            ー
    ピッチカートで弾く春の野         ぜ

起首:2010年11月18日(木)
満尾:2010年12月18日(土)
捌き:ゆかり

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