掲示板で巻いていた今年12巻目の連句が連衆の皆さんのお力により予告通り年内満尾。
六吟歌仙・折鶴の巻
折鶴と星と触れ合ふ聖樹かな ぽぽな
手順どほりに点すストーブ ゆかり
童顔の国たつ汽車を待ちわびて ぐみ
県境の山越える草の実 恵
万華鏡みれば無数の三日月 銀河
眼帯のまま利酒に行き 篠
ウ ハスキーな声で相槌うつ女 な
セーターといふ青き山なみ り
片恋の北の宿にも春来たり み
光零るる海女の足元 恵
むつくりとこは驚きの蜃楼 河
スフィンクスから謎をかけられ 篠
英雄は罪人となり夏の月 な
あれぐろばるばろがりれおがりれい り
ベーコンと金平糖を買ひ忘れ み
卒業の朝五分刈りにする 恵
花時の窓にペルシャの涙壺 篠
子猫たずねるポスターの辻 河
ナオ 聞き覚えある声のして目が覚めて 篠
外出前と帰宅直後と 河
ぢかに口つけてミルクの紙パック 恵
ひとり暮らしの名は悟空なり み
不如意にて伸び放題のものばかり り
アフロディーテの髪に潮風 な
悪といふこと知らざるがパラダイス 河
酸いも甘いもうたかたの日々 篠
コスモスを渡され触るる指の先 恵
色鳥あまた電気みなぎり り
親と子と寄り添ひて行く十三夜 み
記憶の糸をやさしく手繰る な
ナウ 雪降つて人形の目のあをあをと 篠
アツカンがよくハシも器用に 河
忍術のたしなみもなく歳かさね り
亀の甲羅の濡れて春めく み
花の雲こはさぬやうに息をして 恵
西に東に光りゆく風 な
起首:2010年12月25日(土)04時50分17秒
満尾:2010年12月31日(金)23時06分1秒
捌き:ゆかり
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