2011年6月23日木曜日

七吟回文歌仙 譲りしはの巻

掲示板で巻いていた回文歌仙が満尾。


     七吟回文歌仙 譲りしはの巻

   譲りしは闇の火のみや走り梅雨       ぽぽな
    卯の花腐しを仕度縄の鵜         ゆかり
   父無し子らしかる頭腰なでて         二健
    来るだけのひと問ひのけだるく        令
   満月は如何にと二回発言魔          ぐみ
    菊の酒の香かの今朝の茎         あとり
ウ  はぎ取りし湯巻秋繭尻伽は          吾郎
    君愛し妬く悔しい編み機           み
   もつれ的濡れ場のばれぬ奇天烈も        令
    盗りても燈火買うとも照りと         あ
   傘も買ふ冬清き夕深藻坂            み
    雪にやさしき岸さやに消ゆ          な
   春の月死んでぞ電磁気募るは          ゆ
    酔ふ夜の水が霞のやうよ           健
   隅の陰試験案消し外科のミス          郎
    つながる管をたぐるが夏           ゆ
   丸く汝はやめよやよめや花車          健
    弓塚に来て敵に勝つ見ゆ           令
ナオ 新酒を酌め憩ひめくを今朝日に         あ
    芒はらりと鳥等はキスす           な
   虫置きし土間のその窓子規惜しむ        郎
    根岸界隈岩生かし杵             ゆ
   風俗なないろ風呂いななく臓腑         な
    寸暇文会いかん俯瞰す            健
   不意にみなシネマを真似し波に言ふ       令
    人力飛行浮かび麒麟児            み
   初霜の行方問へ崩ゆ野燃しつは         あ
    悲しき性へ屁が割きし仲           郎
   八日月閨のあの屋根気遣ふよ          な
    鶏頭の庭ワニの疎い毛            ゆ
ナウ 地味も咲くしがない流し草紅葉         健
    黴の下駄裏らうたげの美か          令
   占ひで天気は禁手で易習ふ           み
    永日草の野裂く辻家             あ
   今の名は飲みし伏見の花の舞          郎
    遠のき乗るは春の木の音           な


起首:2011年 5月28日(土)
満尾:2011年 6月23日(木)
捌き:ゆかり

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