週刊俳句の佐山哲郎『月姿態連絡乞ふ』に対する拙感想文『月真下』から派生した連句の一巻目。
上弦の月だよお尻が右だもの 佐山哲郎
写る水面も西を向く秋 ゆかり
朝霧の満つるカリブを帆で分けて 痾窮
着信音はボブ・マ-リーにする 七
自販機にぐわんばつてねと励まされ らくだ
帝都をめぐる鉄管ビール ぐみ
ウ 議事堂のはつきり見える秘密基地 楚良
覗かれてゐる気がして燃える 苑を
ああ誰ぢや姫が枕の電動具 なむ
途切れがちなる根岸の霊波 ゆ
遊泳ヲ禁ズの文字に赤き錆 あとり
跣足にからむ鉄鎖を越えて 窮
モ-リヤック開けば蝮巣を作り 七
あつといふ間に玉子売り切れ だ
ミネソタはみえないさうだ夜の飛行 み
墓だけ残る村にさへづり 良
御社の裏にまはれば花ふぶき を
双子姉妹が吹くしやぼん玉 む
ナオ ゆつくりと堀部安兵衛立ち上がり ゆ
猫が窓辺のガンプラまたぐ あ
国境の橋を落して逃延びよ 窮
四番車両に忘れた眼鏡 七
針に糸通すばかりがままならず だ
帰りはこはい天神様へ み
手のひらの人をのみ込むおまじなひ 良
ノーベル賞に着る燕尾服 を
シャガールの青の発光してゐたる ゆ
窓に空泣くごとき一滴 む
駐車券をお取り下さい月天子 あ
地下の売場に松茸を買ふ 窮
ナウ 虫愛づる姫を捜して六本木 七
大使は何も見ざる聞かざる だ
まぼろしの湖くれなゐにかゞやきて を
燃えゆくものに蝶のしかばね 良
云ふなれば一会の花の娑婆陀婆陀 み
帽子を空へ投げる卒業 あ
起首:2011年10月10日(月)
満尾:2011年11月19日(土)
捌き:ゆかり
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