2011年11月19日土曜日

九吟歌仙・上弦の巻

週刊俳句の佐山哲郎『月姿態連絡乞ふ』に対する拙感想文『月真下』から派生した連句の一巻目。

   上弦の月だよお尻が右だもの    佐山哲郎
    写る水面も西を向く秋       ゆかり
   朝霧の満つるカリブを帆で分けて    痾窮
    着信音はボブ・マ-リーにする     七
   自販機にぐわんばつてねと励まされ  らくだ
    帝都をめぐる鉄管ビール       ぐみ
ウ  議事堂のはつきり見える秘密基地    楚良
    覗かれてゐる気がして燃える     苑を
   ああ誰ぢや姫が枕の電動具       なむ
    途切れがちなる根岸の霊波       ゆ
   遊泳ヲ禁ズの文字に赤き錆      あとり
    跣足にからむ鉄鎖を越えて       窮
   モ-リヤック開けば蝮巣を作り      七
    あつといふ間に玉子売り切れ      だ
   ミネソタはみえないさうだ夜の飛行    み
    墓だけ残る村にさへづり        良
   御社の裏にまはれば花ふぶき       を
    双子姉妹が吹くしやぼん玉       む
ナオ ゆつくりと堀部安兵衛立ち上がり     ゆ
    猫が窓辺のガンプラまたぐ       あ
   国境の橋を落して逃延びよ        窮
    四番車両に忘れた眼鏡         七
   針に糸通すばかりがままならず      だ
    帰りはこはい天神様へ         み
   手のひらの人をのみ込むおまじなひ    良
    ノーベル賞に着る燕尾服        を
   シャガールの青の発光してゐたる     ゆ
    窓に空泣くごとき一滴         む
   駐車券をお取り下さい月天子       あ
    地下の売場に松茸を買ふ        窮
ナウ 虫愛づる姫を捜して六本木        七
    大使は何も見ざる聞かざる       だ
   まぼろしの湖くれなゐにかゞやきて    を
    燃えゆくものに蝶のしかばね      良
   云ふなれば一会の花の娑婆陀婆陀     み
    帽子を空へ投げる卒業         あ

起首:2011年10月10日(月)
満尾:2011年11月19日(土)
捌き:ゆかり

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