2017年4月24日月曜日

脇起し追悼七吟歌仙 覆へるともの巻

掲示板で巻いていた連句が満尾。

 
   覆へるとも花にうるほへ石のつら   大岡信
    ひかりをまとふ木々の囀り    ゆかり
   上海の地番に春の風抜けて      銀河
    摩天楼にて蟹を楽しむ       伸太
   踊るひとつぎつぎふえる月あかり    槐
    孫三たりとのメイル爽やか      令
ウ  校庭に朝顔からみつく木馬      媚庵
    たがひちがひに灯すランタン   れいこ
   森といふ夢の過剰を鎮めをり      り
    窓に記憶を残しさよなら       河
   山男マッキンリーから帰らざる     太
    凍てし月より石を拾はむ       槐
   最大の平面の夢受胎すと        令
    今朝のうたこそ生の賜物       庵
   付喪神つれて質屋の旗の下       こ
    泡立つてゐる発語本能        り
   掃除機に吸ひ込まれゆく花の闇     河
    いそぎんちやくのひと日は過ぎぬ   太
ナオ 春の野に燃やす記憶と現在と      槐
    新聞社にて訳す英文         令
   バンカラの一高生が辞書を食ふ     庵
    おおそれみよと揺れる桟橋      こ
   海鳥は下から上にまぶた閉ぢ      り
    雪の純白くぐる恍惚         河
   食卓に置かれ真珠のネックレス     太
    汝が泣くときの宝石のこゑ      槐
   重信と苑子に夜の訪問者        令
    浪漫渡世遠く秋立つ         庵
   ファザーネン通りをおほき月のぼる   こ
    途絶えがちなる夜寒の電波      り
ナウ お辞儀して太古の汗を拭かずゐる    河
    アンモナイトの生れて大陸      太
   あをいろの点描で描く友のかほ     槐
    うたげあたたか孤心を生きて     令
   朝といふ朝の窓辺にひらく花      庵
    蝶うつろへる折々のうた       こ

起首:2017年 4月7日(金)
満尾:2017年 4月24日(月)
捌き:ゆかり

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