2011年2月6日日曜日

脇起し七吟歌仙・七種の巻

掲示板で巻いていた歌仙が満尾。

脇起し七吟歌仙・七種の巻 

   七種やなくてぞ数のなつかしき     青蘿
    薺といはず打ちてしやまん     ゆかり
   隆々と山の肩より朝日でて      ぽぽな
    青海原に響く銅鑼の音        ぐみ
   雨月ゆゑ装束つけて舞うてみる      令
    金唐革は蜻蜒の模様          七
ウ  市庁舎の窓の数だけ秋思あり       篠
    通勤に持つ厄除け詩集       あとり
   土曜日は犬と散歩をして暮らし      ゆ
    バッキンガムの宮殿に雪        な
   賜りしクイーンサイズの掛布団      み
    工場跡は滑走路へと          令
   宇宙基地遠く近くに月涼し        七
    ハンモックてふ恋の前触れ       篠
   ひかがみを指でやさしく洗ひあひ     あ
    力がぬけて天国へ行く         ゆ
   花の昼どこが出口かわからない      な
    かげろふ越しにクラインの壺      み
ナオ 質草に春塵うすく積もりたる       令
    うなぎパイなど手土産にして      七
   チェロケース背負ひ峠にバス待てば    篠
    頻頻と散るかのししの耳        あ
   風花に先を失ふ摩天楼          ゆ
    冬の水辺はもの焚く匂ひ        な
   歌麿の美人画どれも鼻ひとつ       み
    切手選ぶにあれかこれかと       令
   貝殻に流木ひろふ夏の海         七
    山の天気を下駄で占ひ         篠
   数あらば言ひ当ててみよ星月夜      あ
    心なき身の苧殻焚きをり        ゆ
ナウ ひるすぎのつくつくぼふしつくぼふし   な
    赤頭巾ちゃん読んで聞かせて      み
   だんだんと足の先から眠くなる      令
    夢魔に押され揺るるふらここ      七
   花の森果て満月の青むころ        篠
    草はかぐはし影に踏まれて       あ

起首 2011年 1月 8日(土)15時13分40秒
満尾 2011年 2月 6日(日)17時47分22秒
捌き ゆかり

 発句の松岡青蘿は江戸時代の俳人。wikipediaによれば「御勘定人として姫路藩に出仕するも、1759年(宝暦9年)20歳のときに身持ち不慎のため姫路に移されるが、1762年(宝暦12年)23歳のとき、再び不行跡をとがめられ姫路藩を追放される。その原因は、賭博とも言われている」というから、波乱に満ちた人生を送ったものと思われる。「なくてぞ数のなつかしき」は一体なにを懐かしんでいるのだろう。

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