掲示板で巻いていた歌仙が満尾。
脇起し七吟歌仙・七種の巻
七種やなくてぞ数のなつかしき 青蘿
薺といはず打ちてしやまん ゆかり
隆々と山の肩より朝日でて ぽぽな
青海原に響く銅鑼の音 ぐみ
雨月ゆゑ装束つけて舞うてみる 令
金唐革は蜻蜒の模様 七
ウ 市庁舎の窓の数だけ秋思あり 篠
通勤に持つ厄除け詩集 あとり
土曜日は犬と散歩をして暮らし ゆ
バッキンガムの宮殿に雪 な
賜りしクイーンサイズの掛布団 み
工場跡は滑走路へと 令
宇宙基地遠く近くに月涼し 七
ハンモックてふ恋の前触れ 篠
ひかがみを指でやさしく洗ひあひ あ
力がぬけて天国へ行く ゆ
花の昼どこが出口かわからない な
かげろふ越しにクラインの壺 み
ナオ 質草に春塵うすく積もりたる 令
うなぎパイなど手土産にして 七
チェロケース背負ひ峠にバス待てば 篠
頻頻と散るかのししの耳 あ
風花に先を失ふ摩天楼 ゆ
冬の水辺はもの焚く匂ひ な
歌麿の美人画どれも鼻ひとつ み
切手選ぶにあれかこれかと 令
貝殻に流木ひろふ夏の海 七
山の天気を下駄で占ひ 篠
数あらば言ひ当ててみよ星月夜 あ
心なき身の苧殻焚きをり ゆ
ナウ ひるすぎのつくつくぼふしつくぼふし な
赤頭巾ちゃん読んで聞かせて み
だんだんと足の先から眠くなる 令
夢魔に押され揺るるふらここ 七
花の森果て満月の青むころ 篠
草はかぐはし影に踏まれて あ
起首 2011年 1月 8日(土)15時13分40秒
満尾 2011年 2月 6日(日)17時47分22秒
捌き ゆかり
発句の松岡青蘿は江戸時代の俳人。wikipediaによれば「御勘定人として姫路藩に出仕するも、1759年(宝暦9年)20歳のときに身持ち不慎のため姫路に移されるが、1762年(宝暦12年)23歳のとき、再び不行跡をとがめられ姫路藩を追放される。その原因は、賭博とも言われている」というから、波乱に満ちた人生を送ったものと思われる。「なくてぞ数のなつかしき」は一体なにを懐かしんでいるのだろう。
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