掲示板で巻いていた歌仙が満尾。
三月の瞼にいつも故郷かな ぽぽな
水平線に及ぶ菜の花 ゆかり
春風は東でも西でもなくて なな
大声を出しタクシー止める 六番町
月からの使者の行列しづしづと らくだ
空を仰ぐは竹伐る翁 まにょん
ウ バス停の図書館前の霧深し 苑を
君のヒールが近づいてくる ぽ
うちふるへ私はいま霜柱 り
パイにしようかキッシュにしようか な
白亜紀かジュラ紀か知らぬこの地層 町
スピルバーグの化石もありて だ
ともづなは涼しき月の下に解く ん
灯火親しむ難問奇問 を
虫の音の京都の寺に一休み ぽ
朝露に濡れスナイドル銃 り
銀板の写真に映る花一輪 な
真顔で強くふらここ漕げば 町
ナオ 馬の子は足震はせて立ち上がり だ
路上の石に淡き歌声 ん
ジャケ買ひをして水底に辿りつく を
短き夜の胎動はげし ぽ
くろぐろと赤方偏移してゐたり り
ワ-ムホ-ルを幸子一郎 な
口ずさむラブ・ミー・ドゥより始まりて 町
顔が好きだといふプロポーズ だ
真夜なれば黄金バットの面つけむ ん
たらりとろりと垂れる水飴 を
代々の秘伝受け継ぐ望の月 ぽ
夜長を裂ける明子の悲鳴 り
ナウ さはやかに大空翔るビブラ-ト な
落下する夢分析されぬ 町
ゆくりなくフリーズしたるパソコンに だ
指の先から暮れる春の日 ん
ミシン踏む店に吹き寄せ花の屑 を
鏡の中の女かげろふ ぽ
起首:2012年 3月16日(金)
満尾:2012年 4月20日(金)
捌き:ゆかり
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