2012年4月2日月曜日

実力とは実の力なのだ


Money Jungle



 ミンガスもローチもチャーリー・パーカーの世代に属するので、それ以前の世代の大御所エリントンとの共演というだけで、このアルバム、ずいぶん長いこと敬遠していたのだが、実際に聴いてみると一期一会の大変なアルバムなのだった。鉄槌を下すように強靱なエリントンのピアノのタッチに対し、ミンガスがまるでどこかの民族の撥弦楽器みたいにベースを荒々しくべんべんとかき鳴らして挑みかかり、ローチはローチで激しくあおり立てる。とにかく常軌を逸したパワーのぶつかり合いなのだ。「キャラバン」やタイトルナンバーがぶつかり合い系の最たるもの。一方でエキゾチック極まりない「アフリカの花」の香気はどうだろう。「ソリチュード」などのスロー・バラードも異様にスリリングである。

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