Eight Classic Albums: Duke Ellington
録音から50年経過した8枚のLPをCD4枚に収めた合法的な海賊盤。とはいえ、安価にエリントン・サウンドを浴びるように聴けるのはやはりありがたい。もとのLPもしくはCDですでに持っていたものは1枚だけなのだが、一聴した限りこのシリーズのハズレの他盤のような製品的欠陥(音が飛ぶ、ノイズがひどい、曲が途中で切れる、板起こし、など)はなく、アタリの方だと思う。内容は以下。
1)Such Sweet Thunder(1957)
シェイクスピアを題材としたアルバム。村上春樹の『国境の南、太陽の西』に出てくる「スター・クロスト・ラヴァーズ」はこのアルバムに収められている。単品で購入すると11曲もある別テイクはいさぎよく割愛されている。
2)Black Brown And Beige(1958)
マヘリア・ジャクソン(vo)参加の組曲。姿をかえて何度もあらわれる「カム・サンデイ」の主題が胸を打つ。レイ・ナンスのvnも哀切きわまりない。
3)Duke Ellington At The Bal Masque(1958)
ライブ盤である。まさかこんなところで「狼なんかこわくない」が聴けるとは思わなかった。
4)The Cosmic Scene(1958)
アルバム・タイトルや収録曲「宇宙人」の背景が分かれば興味深い事実があるのかも知れないが、比較的小編成で、ジミー・ハミルトン(cl)、ポール・ゴンザルベス(ts)、クラーク・テリー(tp)らの妙技を楽しめる。こんなにclが前面に出た「A列車」は珍しいのでは。
5)Anatomy Of A Murder(1959)
ジェームス・スチュアート主演『或る殺人』の映画音楽をエリントンが書いたということらしい。
6)Nutcracker Suite(1960)
これは可笑しい。チャイコフスキーの『くるみわり人形』のジャズ化である。
7)Piano In The Foreground(1961)
数少ないであろうエリントンのピアノ・トリオ作品。ミンガス、ローチとの過激な『マネー・ジャングル』もいいが、こちらの方が本来のエリントンの持ち味のような気がする。
8)Together Again(1961)
ルイ・アームストロングとの共演によるエリントン・ナンバー集。
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