2013年1月26日土曜日

ホーム・スウィート・ホーム2

かと思うと、こんな句群はいかがでしょうか。いずれも複写をモチーフとしたものです。

僧の子の僧となりけり竹の秋   山田露結
コピーして赤はグレーに昭和の日
秋祭記憶のごとく父となりし

 また、ふたつのもの、あるいは全体と部分が似ている/少し違うというモチーフの句群もあります。

春寒や首細くして姉妹       山田露結
うららかや位牌のひとつあたらしき
涅槃図の外にも人の溢れをり
かなしからずや殻の中まで蝸牛
半畳を囲む四畳や夏椿

 そもそも、同じようなものが「たくさん」ということにセンサーが働いてしまうような面も感じます。

春の川無数に流れゐて頭痛    山田露結
われわれに無数の毛穴蠅生まる
夜の新樹までの襖の無数なる

0 件のコメント:

コメントを投稿