掲示板で巻いていた連句が満尾。
黒鍵の親指ふとき寒さかな らくだ
雪に埋もるる耳といふ耳 ゆかり
ブーメランうまく木立をくぐり来て 銀河
夕花野へとゑがく半円 ぐみ
とりどりのチーズを月の供物とし ジベル
まちの飛蝗といなかの蝗 苑を
ウ メールよりテレパシーにて交信す 令
機嫌の良さを示す低音 だ
ぶくぶくとしやぼんを溶かす男ゐて り
うちの女房にやヒゲがあるのさ 河
恋猫の声に負けじと身を反らせ み
からくれなゐにうすらひを染め ル
業平の名を惜しむかに朧月 を
言問橋に近き寓居に 令
主より大きな顔で油虫 だ
覚めねばよかつた気がかりな夢 り
散る花の時を知らせるオルゴール 河
名残の雪の三たび四たびと み
ナオ 晩春のなみだ海豚にペンギンに ル
ボーダー柄のTシャツを買ふ を
いく重にもくるむボトルと変圧器 令
帰路は閉まらぬトランクの蓋 だ
自分発宅急便の不在票 り
賞味期限はけふまでとある 河
あしたばの薬効敬老日に説いて み
祭の爺の死守するセンター ル
白球の消えたところに秋夕焼 を
月ついてくる神社への道 令
闇のものすべて暴いて照魔鏡 だ
雨季のいのちの谷戸のざりがに り
ナウ 歓声にキャンプファイアー燃え上がる 河
ムンクの描く口のおほきさ み
記憶にはケースの中のコップしか ル
淡き陽ざしに乾く春泥 を
鉄棒にとどきさうなる花の枝 令
卒業の歌満つる学び舎 だ
起首:2012年11月17日
満尾:2013年 1月 8日
捌き:ゆかり
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