2019年3月15日金曜日

七吟歌仙 溜め池の巻

   溜め池に立つや大波春嵐       由良
    落つる椿の地になせる円     ゆかり
   雛の客シャネルスーツを着こなして  由季
    柔軟剤は日なたのかをり       槐
   名月を誤答と思ふ押しボタン     大祐
    道に迷ひし白帝の夜       けんじ
ウ  異土晴れて八万人の阿波踊り     ぐみ
    ロベスピエールの目をした男     良
   雨漏りの盥の音が遠くなる       り
    惚れ薬かもしれぬ梅雨茸       季
   こひびとよ冷えピタの貼り方が雑    槐
    高校生の髷を切るのみ        祐
   校庭にサッカーボール忘れられ     じ
    笛を吹くのは繊き寒月        み
   虎に似て二尺足らずの猫を抱く     良
    濡れ縁といふゆふべの湿り      り
   借景の吉野山より花吹雪        季
    をみなとをみなふらここを漕ぐ    槐
ナオ 鈍器群ボートレースに撒かれつつ    祐
    デカの直感ホシは老人        じ
   地球とて宇宙に光る青き点       み
    蚤ひねりつつ面壁三年        良
   泥団子切つて食みたる石のうへ     り
    子役の台詞たつたひとこと      季
   ラジオ置く張り出し窓の冬ざるる    槐
    象徴界を銀世界へと         祐
   乗換の小さき駅の屋根長く       じ
    健さんに似し夜学生ゐて       み
   照らしあふ名残の月とわれの顔     良
    下り簗には水の音ばかり       り
ナウ 土手に飼ふ除草のための山羊二頭    季
    右の乳房の入れ墨の赤        槐
   恋人の肉よ機械になり給へ       祐
    次々消える魔界よりこゑ       じ
   天地の笑みの広ごる花盛り       み
    旅の果たての沖霞みたり       良

起首:2019年 2月23日(土)
満尾:2019年 3月 9日(土)
捌き:ゆかり

0 件のコメント:

コメントを投稿