という冊子を頂く。
やまぐち連句会というところが編集・発行しているもので、第2回山口県総合芸術文化祭「連句大会」の記録集である。この連句大会がいかにすごいかというと、単に愛好家が集まって歌仙を巻くのにとどまらず、なんとジャズ・ミュージシャンを招き、芭蕉の「冬の日」にインスパイアされたライヴ演奏を実現させているところである。
ジャズと連句は非常に似たところがある。どちらも即興性を重んじ、出会いを大切にし、文台おろせばすなはち反古というその場限りの集中力といさぎよさがある。
冊子を読んでいると、小島のり子さん(fl)、澁谷盛良さん(b)、山口友生さん(g)によるジャズ演奏が違和感なく連句愛好家に受け止められた様子が伝わってくる。
それにしてもハードである。一泊二日の日程の二日目午前中がライヴ、引き続き11:30~15:30に連句実作会というのはかなりの強行軍なのではないだろうか。そのようにして巻かれた半歌仙10巻、歌仙1巻、箙(不明。裏と名残表が6句ずつから成っている)1巻、正式十句合1巻が冊子には収録されている。上記ジャズ・ミュージシャンも参加しているし、中には9歳の男の子がお母さんと連句初体験しましたというほほえましい注記もある。
このようにして、連句もジャズも脈々と伝えられている。
(2008年秋のやまぐち連句会の催しについて、別のところに書いた記事を転載しました。)
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