『アビーロード』のA面の終わりといえば、She's so heavyですが、じっさいのところ、岡野泰輔さんの蛇の句はきらきらしています。
いちばんのきれいなときを蛇でいる 岡野泰輔
蛇だって発情期には婚姻色に彩られるのでありましょうが、そういうことではなくて、ひとつの生命体の輪廻の中で、いちばんのきれいなときが蛇って、そうとうかなしい性です。ほとんどひらがなの中に一文字だけ「蛇」が漢字という、表記への配慮がこの句を確かなものにしています。
左手は他人のはじまり蛇穴を 岡野泰輔
「左手は他人のはじまり」と不如意を嘆くようでいて、この季語の斡旋はなにかしら淫靡な悦びのはじまりのようにも思われます。
蛇眠るうへのあたりで毛糸編む ゆかり
0 件のコメント:
コメントを投稿