歩き出す仔猫あらゆる知へ向けて 福田若之
僕のほかに腐るものもなく西日の部屋
君はセカイの外へ帰省し無色の街
青春性の横溢としかいいようがない、若々しい句群です。自意識の過剰や挫折(それすらも「あらゆる知」の反復でしかない)のまっただ中を当事者としてぐんぐん貫く、そんなかっこよさに溢れています。
そんな青春性を俳句として表現するにあたり福田若之は、もはや単純な棒の如きものには飽き足らず、分かち書き、句読点、記号などの技法を手当たり次第に駆使します。
くらげくらげ 触れ合って温かい。痛い。 福田若之
伝説のロックンロール! カンナの、黄!
さくら、ひら つながりのよわいぼくたち
もしかするとこの人は俳句というジャンルにはとどまらず、どこかへ行ってしまうのかも知れません。
回春の状なきひとと梅探る ゆかり
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