2012年1月9日月曜日

どうでもいいようなことに目をつける着眼点

花束の茎薄暗き虚子忌かな     小野あらた
かき氷味無き場所に行き当たる
嚙むたびに鯛焼きの餡漏れ出しぬ
大きめの犬に嗅がれる遅日かな
人文字の隣と話す残暑かな
鷹去つて双眼鏡のがらんどう

 この人は正統派でめちゃくちゃうまいのではないでしょうか。どうでもいいようなことに目をつける着眼点がじつにある種の俳句的なのです。食べ物の句がやたら多いのはちょっとどうかとも思いますが…。

日脚伸び日脚伸子と名乗りけり  ゆかり

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