2006年4月11日火曜日

正木浩一句集

 ひとつ前の記事で「発句というものは、作者の名前や伝記とともに理解されるべきものなのでしょうか。五七五という世界最短小の韻文詩形は、そんなに脆弱なものなのでしょうか」と書きましたが、『正木浩一句集』(深夜叢書社)を読みました。
 正木浩一は正木ゆう子の兄で平成四年没。この句集は正木ゆう子編の遺句集ということになるわけですが、飾り気のないボール紙の函に収められた序文も跋文もない句集は、句がすべてを語るために周到に用意された最良の体裁といえるでしょう。

  陽子
寒き世に泪そなへて生れ来し 正木浩一



夜の雨の花終はらせる音しづか ゆかり

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