ロッテリアマツモトキヨシ水打てり 齋藤朝比古
白菜を抱へ両国橋渡る
一見なんでもない句をあえて選びました。最近google earthという怖ろしいものがあって、パソコン上で道路に沿って風景写真が四方八方連なって展開されて行きます。自動車に設置された何台ものカメラによって撮影されたものを合成しているようですが、齋藤朝比古さんというのは、それに似て、どんなただごとの風景でもたちまちにして稠密な句群に置き換えてしまうすごさがあります。この人の場合、書かれた作品を云々するよりも、もしかしたら、刻々と俳句に置き換えて行く装置として、その性能を味わうのが正しい受け止め方なのかも知れません。
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