2011年12月25日日曜日

家族アルバムのうさぎ

父既に海水パンツ穿く朝餉     太田うさぎ
ぐんぐんと母のクリームソーダ減る
苧殻焚くちかごろ母の声に似て
銀杏を拾へば父とゐるやうな

 このあたり、人物が景物を思い起こさせたり、景物が人物を思い起こさせたりするのを、こまやかな感情の起伏とともに自在に句に仕立てている感があります。

なきがらや睫やさしく枯れわたり 太田うさぎ

 「睫やさしく枯れわたり」が胸を打ちます。俳人には俳人にしかできない家族のアルバムがあるのだと感じます。

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